これであなたも目利き! 「Lee」の古着の価値を見極めるタグ判別ガイド

古着を楽しむうえで、年代を知ることは重要な手がかり。タグやボタンなど、細かなディテールを見比べることで、いつ作られた服なのかどんな意味や背景があるのか。知れば知るほど古着はもっと楽しい。

内タグの変遷

【~1940s中期】センター赤タグ 斜体e

黒いラベルに赤い囲いが特徴的な通称「赤タグ」。「Lee」の文字のeの部分が斜体となっているものの方が旧い。背面腰の中心に縫い付けられているため「センター赤タグ」と呼ばれる。

【1940s後期~】センター赤タグ 正体e

1940年代後期には、「赤タグ」の〈Lee〉のeが斜体から正体へと変更される。1947年頃に変わったとされるが、その後のアイテムにもストックのタグを使う場合がありその限りではない。

【1950s中期~】センター黒タグ

黒いラベルに黄色い囲いが特徴的な通称「黒タグ」。10年以上にも渡り使用されたタグでデザインの変更もされている。判断の基準として、ウエストの縫い付け位置が重要。中心となっているものの方が旧い。

【1950s後期~】サイド黒タグ

黒いラベルに黄色い囲いが特徴的な通称「黒タグ」。年代判別の方法として、ウエストの縫い付け位置が重要であり、中心ではなく右腰部分となっているものの方が新しい。「黒タグ」でも「サイド黒」と呼ばれる。

【1970s】大文字タグ

1970年代に入るとこれまでのタグとは違い、すべて大文字のブランド名が刺繍されたタグがつくようになる。いつごろから使用されたのか、正式には不明だが、1970年代以降’80年代のアイテムまでに多く見られる。

ハウスマークの変遷

【1920s】

最も古いハウスマークである。ロットナンバーやサイズの表記は頭文字のみの記載となっており、下段にはロットナンバーは「L」、サイズは「S」が記されている。

【1930s】

1920年代のハウスマークタグとほとんどデザインに変更はないが、サイズ表記の部分が、頭文字だけであった「S」から「SIZE」表記へと変更されている。

【1930s】

ハウスマーク下の四角い枠内に記載されていた「REG. U.S.PAT.OFF」の枠が消え、タグ自体のサイズがやや大きく。「JELT DENIM-SHRUNK」表記も入る。

【1940s】

「JELT DENIM」表記の下に「SANFORIZED」の表記、タグの下部には記事の縮率などの表記も入る。ロットナンバー前のSは大戦モデルを意味する。

【1950s】

デニムにつく内タグと同様に、ハウスマークタグの〈Lee〉のeも斜体から正体へ変更される。そのほか、1940年代のタグと基本的にはデザインは同じ。

ピスネームの変遷

【~1950s】

背面の右ポケット上部につくピスネームも年代によって変化する。1950年代までは〈Lee〉というブランド名だけが入るシンプルなデザインとなっている。

【1960s~】

1960年代に入ると、もともと〈Lee〉という表記だけだったものにレジスターマークや「M.R.」のトレードマーク表記が入る。どちらか片方のものも存在する。

フロントボタンの変遷

【~1930s中期】

年代により、デニムパンツにつくフロントボタンのデザインにも変化が見られる。1930年代中期頃まではブランド名ではなく「UNION MADE」表記となる。

【1930s後期~】

1930年代の後期頃から、ブランド名の〈Lee〉とモデル名にも入っている「COWBOY」の文字が入ったフロントボタンへと変更される。

【1940後期~】

文字が「RIDERS」へと変更される。モデル名が[COWBOY PANTS]から[RIDERS]へと変更される1946年ころから変わっていったと推測。

(出典/「Lightning 2025年10月号 Vol.378」)

この記事を書いた人
なまため
この記事を書いた人

なまため

I LOVE クラシックアウトドア

1996年生まれ、編集部に入る前は植木屋という異色の経歴を持ち、小さめの重機なら運転可。植物を学ぶために上京したはずが、田舎には無かった古着にハマる。アメカジ、トラッド様々なスタイルを経てアウトドア古着に落ち着いた。腰痛持ちということもあり革靴は苦手、持っている靴の9割がスニーカーという断然スニーカー派。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

Pick Up おすすめ記事

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...