いつものミリタリージャケットをパッチとカラーで遊んではみないか?

アメリカンカジュアルの定番アウターとして君臨するミリタリージャケット。フライトジャケットのなかで最もポピュラーな[MA-1]やフィールドジャケット[M-65]などの王道は勿論、今季のバズリクソンズのなかで注目したいのが、パッチや色柄に特徴を持つジャケットだ。コーディネイトが楽しくなるこれからの時期に最適な“ファッション的観点”から選んだ名作を紹介する。

軍需衣料品史上、ほかに例をみない大胆なデザインが光る。

JACKET / LINECREWMAN / IDENTIFYING
TYPE G-1
BUZZ RICKSON MFG. CO.

米空軍のラインクルーマンのために1950年代初頭に採用。戦闘機を地上にて、昼夜問わずに誘導するという彼らの任務において、身の安全を確保するために機上のパイロットから目立つ必要があるため、このようなオレンジとブラックで構成された大柄のダイヤがプリントされたジャケットが誕生したのだ。軍需衣料品史上、ほかに例をみないほどの派手なデザインが施されたジャケットは、初秋のライトアウターとして重宝すること間違いなしだ。6万4900円

王道のMA-1系フライトジャケットをビビッドな“赤”で刷新する。

JACKET / FLYING / LIGHT
TYPE RED L-2B SCORPION
BUZZ RICKSON MFG. CORP. AIR DEFENSE COMMAND

1950年代中期、防空用要撃機としてノースロップ社が開発した「F-89スコーピオン」。そのテスト機のプロモーション用に撮影された写真のなかで2名のパイロットが着用した赤いシェルに黒のリブが特徴的なMA-1系フライトジャケットにバズリクソンズは着目。当時の同社のプロモーションにかける意気込みが感じられる1着は、コマーシャル用に関係者のみに用意された希少性もさることながら、ビビッドなカラーとパッチが圧倒的な存在感を放つ。9万4600円

豪華なデコレートが施された粋でいなせなフィールドジャケット。

COAT / MAN’S / FIELD
TYPE M-65
BUZZ RICKSON MFG. CO., INC. 13th BOMB. SQ. “GRIM REAPERS”

ベトナム戦争中、第13爆撃飛行隊は双発ジェット爆撃機キャンベラに乗って数多くの作戦に参加。韓国、日本、南ベトナムなど様々な地へと降り立ったパイロットたちは、束の間の休暇で各地のパッチショップやカスタムショップに自身のジャケットを持ち込み、自分だけの1着を完成させた。この[M-65]は、日本特有の豪華な刺繍を背面に、そして両胸、両袖にパッチを施したスペシャルな仕様となっている。9万4600円

熟練のパイロットたちの誇りがパッチとしてジャケットに刻まれる。

JACKET / FLYING / INTERMEDIATE
TYPE MA-1
ALBERT TURNER & CO., INC. 71th FTR. INTCP. SQ.

2度の大戦で輝かしい活躍を遂げた戦闘機部隊を現役に戻すことを目的に1955年に再編成された「第71戦闘迎撃飛行隊」。再編成から70年代初頭にかけて常に米国防空のトップを走り続けた同隊は、1965年にウィリアム・テル迎撃戦闘機戦術競技会のF-106部門で優勝を果たし、ほかにも数多くの表彰を受けた。その際の優勝記念パッチや防空軍団章などが施された、同隊員の誇りが宿る特別なジャケットだ。12万9800円

【問い合わせ】
バズリクソンズ(東洋エンタープライズ) 
TEL03-3632-2321
http://www.buzzricksons.jp

(出典/「Lightning 2025年11月号 Vol.379」)

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みなみ188
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みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
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