2ページ目 - メガネの選び方からトレンドまで、アイウエアについて知っておきたい10のコト。

4.主な素材。

アイウエアは素材によっても印象が大きく変わる。大きくは「プラスチック」と「メタル」に分けられるが、その中でも「アセテート」、「セルロイド」、「チタン」の代表的な3つの特徴を紹介する。

アセテート

木材パルプを主な原料としたセルロースに、酢酸を結合させて作られる繊維。発火性が低く、取り扱いが容易なこともあって、現代では最も一般的なプラスチック素材である。セルロイドに比べると安価である点も見逃せない。

セルロイド

世界で初めて工業化されたプラスチック素材ともいわれている。発火性が高く、火事などの原因となりうるため、徐々に減少していった希少な素材だ。独特のぬめり感とツヤ感が特徴で、ヴィンテージアイウエアに多くみられる。

チタン

メタル素材のアイウエアの大半はこのチタンが用いられる。非常に軽量でありながら耐久性にも優れており、錆びにくさも兼ね備えた機能素材である。金属アレルギーが起きにくいのも特徴。加工には高い技術力を要する。

5.サイズ表記。

アイウエアを選ぶうえで重要となるサイズ選び。現行で購入できるアイウエアのほとんどに、テンプルの内側に3つの数字が記載されているのをご存知だろうか。これが各部の寸法を表しているのだ。

左から「46」、「24」、「145」と3つの数字が記載されている。これらは左から「レンズ幅」、「ブリッジ幅」、「テンプル幅」を表しているのだ(単位は㎜)。一般的なアイウエアのサイズの目安としてはレンズ幅は52~56㎜、ブリッジ幅は16~18㎜、テンプル幅は138~145㎜といわれることが多いが、デザインによるところも大きい。

6.フレームデザイン。

レンズシェイプと同様にアイウエアの印象を大きく左右するのがフレームのデザイン。リム(縁)の有無やプラスチックとメタルの切り替えなど、様々なデザインが存在する。これを知ればより一層アイウエアへの理解が深まるだろう。

リムレス

リム(縁)がないフレームデザイン。レンズに穴を開けて、テンプルやブリッジを直接固定しており、ネジの数によってツーポイントとも呼ぶこともある。レトロな印象を醸し出し、近年はトレンドに浮上している。

ハーフリム

上半分がアセテートやメタルで縁取られ、下半分はナイロン糸で固定されている。簡単にいうと上半分にリムがあり、下半分にはリムがないデザイン。リムレスに比べて主張が少なくスタイリッシュな印象。

ブロウ

フロントの眉部分がプラスチック素材で、それ以外がメタルでできている。眉毛を意味する「アイブロウ」が語源。混同されがちだが、「サーモント」はアメリカンオプティカル社が開発したフレームの名称。

ツーブリッジ

左右のレンズを繋ぐブリッジが2本付くデザイン。本来は耐久性向上のために開発されたディテールでパイロット用のアイウエアに用いられたと言われている。クラシカルでありながらややクセのある印象。

セル巻き

メタル素材のリムの外周を覆うように薄いプラスチックを巻きつける技法。19世紀末から用いられた旧きよき製法であり、いまとなっては作ることができる工場は限られている希少なデザインだ。

イチヤマ

一見すると変哲のないデザインだが、よく見ると鼻にかけるパッドが存在しない。ブリッジが直接鼻にかかる設計になっており、非常にクラシックな意匠である。シンプルですっきりとした印象となる。

この記事を書いた人
みなみ188
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みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
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