人気ブランドに聞いた、春のワーク&ミリタリー推しの一着。【Pherrow’s編】

サラッと羽織れるワーク&ミリタリーウエアが欲しくなるこの頃。そこで、本誌が厳選したブランドが推す、この春にぴったりな一着をスタイルサンプルと合わせて紹介する。今回は「フェローズ」をピックアップ!

旧きよきアメリカンクロージングに独自のエッセンスを注入。それが「フェローズ」

旧きよきアメリカンクロージングをベースに、オリジナリティを加えたプロダクトを作り続ける「フェローズ」。30年以上に渡って日本のアメカジシーンを牽引してきた存在でありながらも常にアップデートを続け、現代のデイリーライフに適したサイジングやデザインを落とし込んだ唯一無二のアイテムが今季も揃う。トラッカージャケットやユーティリティパンツなど、王道のワーク&ミリタリーウエアはもちろんのこと、ホワイトデニムのカバーオールやブルガリア軍のウエアをベースとしたアノラックパーカなど“変化球的”なプロダクトも見逃せない。

【ワーク推しの一着】White Denim Coverall

爽やかなホワイトデニムのカバーオール。第二次世界大戦による物資統制などの影響を受けてディテールが簡素化された1940年代のカバーオールを彷彿とさせる胸ポケットのないミニマムなデザインが特徴で、ボタンも刻印のないドーナツボタンを採用している。当時、ホワイトデニムはブルーデニムに比べて比較的安価であったことからアメリカの学生たちがお酒を飲む(遊びに行く)時用の“ビアジャケット”としても親しまれた。ワークウエアでありながら武骨すぎないクリーンな印象で、様々なテイストのスタイルに取り入れられる。3万1900円

「軽快なホワイトのカバーオールに合わせてインナーも爽やかなボーダーを選びました。パンツは濃紺のデニム、足元はブーツという定番のアメカジスタイルですが、トップスが軽やかなので全体としてマイルドにまとまります。ミニマムなデザインな分、汎用性も抜群です!」(「スマートクロージングストア二子玉川店」店長・小野寺忍さん)

カバーオールのディテールが簡素化された1940年代のディテールを踏襲し、ポケットはふたつ。形は五角形で、ダブルステッチによる縫製が施されている。

刻印のないシンプルなドーナツボタンを採用。こちらも第二次世界大戦の煽りを受けてディテールが簡素化された1940年代のワークウエアに多くみられる。

真っ白ではなく生成りに近いホワイトはコーディネイトにも入れやすい。インディゴに比べてクリーンな印象で、ラギッドになりすぎないという利点も。

【ミリタリー推しの一着】Bulgarian Army Anorak Parka

1950年代に採用されたブルガリア軍のアノラックパーカをベースに身幅やアームホールなどをややゆったりとしたサイジングに再構築することで現代的にアップデート。アメリカや英国ではなく、ブルガリア軍のミリタリーウエアに目をつけるのがなんともフェローズらしい。フロントのカンガルーポケットや首元、ウエスト、裾の3箇所に配置されたドローコード、やや細長い形状の立体的なフードなど、オリジナルのディテールを踏襲し、風合いのあるコットン100%生地で仕上げている。オリーブのほか、ベージュとレッドも展開。3万8500円

「ミリタリーウエアらしいオリーブに対し、インナーのTシャツには差し色のレッド、パンツもUSMCのフィールドパンツをベースとしたホワイトを合わせてバランスを取りました。カンガルーポケットやドローコードなどの機能的なディテールが満載で、存在感のある1着です」

フードとウエスト、裾の3箇所にドローコードが付く。ウエストのドローコードを絞ることでやや身体のラインに沿ったタイトなフィッティングで着こなすことも可能。

やや細長い形状のフードが特徴的で、レインウエアとしても重宝する。フードにもドローコードが付き、シルエットの調整が可能だ。結んで着用しても◎。

袖にはボタン留めのアジャスターが付き、ホールド感を調整することが可能。ブルガリア軍のオリジナルと同様のデザインで、実用的なディテールである。

【問い合わせ】
フェローズ
TEL03-5725-9577
http://pherrows.tokyo/

(出典/「Lightning 2025年6月号」)

この記事を書いた人
みなみ188
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みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
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