旬なアロハシャツ着こなし術【栃木・アークネッツ編】

本格的な夏になると手が伸びるのが夏の主役のアロハシャツ。そこでアロハシャツを取り扱うセレクトショップで働くスタッフのスタイルサンプルをチェック。新たな着こなしのヒントが詰まっているので、とくとご覧あれ!

定番から限定モデルまで、アロハシャツを探すならここ。

全国に多くのファンを持つ人気セレクトショップであるアークネッツ。栃木県宇都宮を拠点としながらも、全国に顧客を持つ理由は、充実したウェブショップと圧倒的なブランド数をセレクトしていることだ。またユーチューブやインスタグラムなどのSNSを使って、積極的にトレンドを抑えたコーディネイト提案をするなど、独自のアプローチを行っている。

異なるコンセプトのショップを18店舗も展開する同社であるが、アロハシャツを探すなら「ミュージアムアーク」と「アークスタンダード」は欠かせない。

まず前者は、その店名の通り、まるで美術館のような空間に世界中から銘品と呼ばれる完成度の高いプロダクトが並ぶ。そこにはゴールドも置かれており、全国でも屈指のラインナップを誇る。また積極的に別注を行っており、即日完売するほどの人気。もちろんゴールドのアロハシャツも充実しており、チェックしたいところ。

一方のアークスタンダードは、定番アメカジに特化したセレクトなので、王道であるサンサーフのアロハシャツは欠かせない存在と語る。シーズン毎に多くのラインナップを展開しており、いつの時代も色褪せないタイムレスなデザインから、クラフトマンシップが詰まったシーズン限定のスペシャルモデルまで幅広く揃っている。サイズも充実しており、コーディネイトの相談にも乗ってくれるので、是非とも店頭で吟味してほしい。

「ミュージアムアーク」では、ヨーロッパから見たアメリカをコンセプトに、世界中からもの作りに定評のあるオーセンティックなブランドをセレクトしている。ゴールドのラインナップや在庫量は国内屈指で、これまでに数多くの別注アイテムを排出している。またアパレルだけでなく、アークネッツの代名詞でもある別注のオールデンなどの革靴も充実しているのだ
もっともアメカジに特化したラインナップとなった「アークスタンダード」は、縫製、素材、機能性といった服の原点を追求したセレクトだ

gold “ORIENTAL FESTIVAL “RAYON ALOHA SHIRT

「ARKnets」プレス・冨田好晃さん|オフホワイトカラーのアロハシャツに合わせて、白を基調としたカラーリングで着こなしているのがポイント。またゴールドの当モデルは、やや大きめのサイズグレーディングとなっているので、リラックス感あるサイズを選んだのも見逃せない

ゴールドからリリースされた今シーズンの新作は、1940年代後半のヴィンテージハワイアンシャツを復刻させた柄を採用。日本の伝統的な祭りをモチーフにしたオリエンタルな雰囲気で、神輿や屋根舟の間を獅子が舞う独創的なデザインとなっている。ボディはオフホワイトのレーヨン縮緬生地。当時の技術ではできなかった金色の顔料プリントを加え、15版もの多色使いのプリントを施しており、サンサーフの生産背景でしか作れないクラフトマンシップ溢れる仕上がり。忠実に再現する一方で、シルエットはリラックス感溢れるモダンなオーバーサイズに仕上げており、クラフトマンシップと絶妙なファッション性の塩梅こそゴールドの真骨頂だと言えるだろう。4万1800円

SUN SURF SPECIAL EDITION “CRANE FLY AWAY” RAYON ALOHA SHIRT

「ARK STANDARD」サブストアマネージャー・臼井雄祐さん|大胆な1枚絵となったオリエンタルなデザインなので、他のアイテムはなるべくシンプルにした好例。鶴のカラーリングに合わせて、ボトムスにはホワイトのカーゴパンツをセレクトした配色もポイント。足元はレザーサンダルで上品にした

時代の流れとともに失われつつある名作を生み出したテキスタイルデザイナーに敬意を表し、多色の贅沢なプリントや迫力のデザイン、メーカーや年代によって異なる各部のディテールまでその魅力を余すところなく完全再現したサンサーフのスペシャルエディション。注目の新作は、1940年代後期にムサシヤ・ザ・シャツメーカーが手掛けたアーカイブがベースになっている。特筆すべき点は数あるオリエンタルなデザインの中でも珍しいシャツ全体をキャンパスに見たて、一羽の鶴がダイナミックに飛び立つ様子を描いた芸術的な作品であることだ。刷られた鶴の上にさらに銀色の顔料を使い桐紋(天皇家なども使っていた家紋)がプリントされているのもポイントだ。3万5200円

gold “PANIOLO” RAYON ALOHA SHIRT

リリースする度に、人気を集めているゴールドのハワイアンシャツは、1950年代の作品をモチーフに、定番のボックス型シルエットに落とし込んだ。モデル名になっている「パニオロ」とは、ハワイのカウボーイを指す言葉。そのネーミングの通り、1800年代のカウボーイが家畜を馴らしている風景が、ピクチャープリントされている。この手のピクチャー柄は1950年代に流行した作風のひとつであるが、ブラックベースは貴重であり、なかなかお目にかかれない存在。そんなレアなカラーリングとモダンなシルエット、当時のクラシックな開襟シャツに見られるロングポイントの襟など、新旧のテイストがバランス良く収まった。3万800円

SUN SURF “LOVELY HULA HANDS” RAYON ALOHA SHIRT

アロハシャツの黄金期を象徴するオールオーバーパータンのひとつである、“LOVELY HULA HANDS”は、マリヒニ・スポーツウェア社のブランド、マリヒニが 1950年代後期に手掛けた作品。同社を立ち上げた日本生まれのレイモンド・ササキは、絵を学んだ経験もあることから柄に対してのこだわりが強く、完成度の高いヴィンテージアロハが多い。同作は、フラガールを筆頭に、大胆に描かれたハワイアンクレストやウクレレ、ハイビスなどの楽園ハワイを象徴するモチーフが詰まっている。合わせやすく、落ち着いた印象のブラックベースをチョイスしているのも、ファッションに精通するアークネッツならでは。1万6280円

【DATA】
MUSEUM ARK
宇都宮市伝馬町2-21
TEL028-633-5620
営業/12:00〜19:00

ARK STANDARD
宇都宮市伝馬町2-25 1F
TEL028-666-7232
営業/12:00〜19:00

【問い合わせ】
サンサーフ(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
https://www.sunsurf.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年9月号 Vol.365」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...