2ページ目 - アメリカ車に存在するマッスルカーって何? 大排気量こそが正義というモデルたち。

現行モデルでもマッスルカーを彷彿とさせる車種は勢いがある。

どうやらアメリカのクルマ好きたちのなかではアメリカ車は大排気量&高馬力でなければ「らしくない」という人たちは数多く存在しているようで、メーカーもそんなユーザーの思いの応えるかのように、ここ最近では現代のマッスルカーとも呼ぶべきハイパフォーマンスなモデルも珍しくない。6000ccオーバーのエンジンも当たり前といった状況。

現代では当時のように、インターミディエイトサイズの2ドア車に、簡素な装備ながら高出力のエンジンを搭載するという図式ではなく、車格やブランドは問わず、ハイパフォーマンスな高級モデルという位置付けでマッスルなモデルがラインナップされている。もしかしたらマッスルカーはアメリカ車の歴史にいつの時代も欠かせないのかもしれない。

ここでは限定車や特別仕様ではない通常のラインナップで新車として販売されているマッスルなモデルを紹介する。

2023年式フォード・マスタング・ダークホース。現行マスタングのハイパフォーマンスグレードであるダークホース。心臓部には自然吸気の5L コヨーテV8を搭載し、500馬力を発生させるだけでなく、専用のエアロパーツで武装される。Photo by Ford Motor Company
2023年式シボレー・カマロZL1。カマロのハイパフォーマンスモデルであるZL1は6.2L V8にスーパーチャージャーで過給して650馬力を誇る。組み合わされるトランスミッションは6速マニュアルがスタンダードで、スポーツ走行に特化したモデルとなっている。Photo by General Motors
2023年式キャデラックCT5-Vブラックウイング。高級ブランドであるキャデラックには2004年式からVと呼ばれるハイパフォーマンスモデルがラインナップされているが、そのVモデルをベースにさらにハイパフォーマンス化されたのがブラックウイング。これは6.2LスーパーチャージドV8を搭載し、668馬力を発生。カマロZL1とベースは同じエンジンながら、キャデラックの方が凶暴な味付けになっている。4ドアセダンで速いって悪くない。Photo by General Motors
2023年式ダッジ・チャレンジャーSRTヘルキャット・ワイドボディ。生産中止がアナウンスされた現行ダッジ・チャレンジャーの通常ラインナップでもっともパワーのあるSRTヘルキャットは6.2L V8エンジンにスーパーチャージャーを搭載し、700馬力オーバーという怪物。写真のようにワイドボディキットで武装されたモデルとなればノーマル以上に威圧感もある。Photo by Stellantis

マッスルカーを中古で買うなら、おすすめ車種はあるのか?

ひとくちにマッスルカーといっても、クラシックカーから現行モデルまで長らくアメリカに存在した車種ばかりだが、どれも生産台数が少ない。とくに旧車では過度なカスタムがされていない当時のオリジナルのボディとエンジンを搭載(いわゆるナンバーズマッチ)し、オリジナルのペイントのままであれば、クラシックカーとしての価値も高くハイプライスになる。

現代車両においては、年式や走行距離に応じて価格は変動する。とくにアメリカではマッスルなスペックの限定車も数多く存在するので、限定モデルはハイプライスに。

いずれにしても、しっかりとメンテができる専門店を頼るのが得策。特別なモデルはメンテや修理も高額になるし、マッスルなモデルほど燃費は期待できない(現行マスタング・ダークホースのマニュアル車でリッター6km弱)ので、日本で乗るなら普段のアシではなく、週末の趣味を謳歌するクルマとして所有するのがおすすめ。いわば本当のクルマ好きでないと手に負えないカテゴリーなのだ。

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...