【クルマ専門店ガイド】イスズスポーツ|いすゞの乗用車の専門店。(東京都羽村市)

いすゞの旧車を中心に扱う老舗ショップ、東京都羽村市のイスズスポーツ。横田基地からもほど近い東京都羽村市にあるイスズスポーツでは常時10数台の販売車両と数多くのベース車両をストックしており、随時WEBで入庫状況がアナウンス。別の場所にある広大なファクトリーでは本格的なフルレストア作業も行う。そんなイスズスポーツと、ピックアップした車両2台をご紹介。

フルオーダーメイドは、ほぼ新車のクオリティ。

イスズスポーツ創業以前からいすゞ車に40年以上関わってきたという岡根浩二社長(右)と息子の慶貴さん(左)。岡根社長はプライベートでも常にいすゞ車に乗り続けているいすゞ車好き

いすゞ自動車というと、トラックやバスなどの大型商用車を製造しているイメージが大きいが、’02年に乗用車の自社製造から撤退する以前は、ベレットや117クーペ、フローリアン、ジェミニ、ピアッツァといった魅力的な乗用車を数多く製造していた。

ここで紹介するのは全国でも非常に珍しい、いすゞ製の乗用車を専門に扱うスペシャルショップ、その名もイスズスポーツだ。

創業14年の同社が特に力を入れているのが、ジウジアーロデザインの117クーペやベレットGT。良質な車両販売と豊富なノウハウを活かした整備はもちろん、自社で本格的なレストア作業も行うなど、いすゞの旧車を買うなら、真っ先に訪れるべきショップである。

ファクトリーではエンジンや足周りを分解し、ボディは徹底して板金される。こうして新車のようなクオリティの車両が生み出されている

店舗に併設された作業スペースでも整備等が行われる。取材した日もハンドメイドモデルが整備を受けていた

1979 ISUZU 117 Coupe

現在の旧車シーンの中でも、突出した人気を誇る117クーペ。`68年に登場し、当時イタリアのカロッツェリア・ギアに在籍していたジウジアーロがデザインを担当し、高性能なDOHCエンジンを搭載したラグジュアリークーペだ。

117クーペは`68年から`81年まで製造され続けたロングセラーモデルで、大きく分けて3期に分けることができる。ジウジアーロのデザインを忠実に再現すべく、一部ハンドメイドで少数を生産された通称「ハンドメイド」の第1期、GMとの提携後に量産モデルとなった「丸目」の第2期、そしてヘッドライトが角目四灯に変更となった通称「角目」の第3期だ。

長い歴史の中で搭載するエンジンや細かな部分も進化しており、クルマの完成度としてはやはり角目モデルが最も高いそうだ。

’77 年以降のモデルは、ヘッドライトが角目四灯となり、バンパーもラバーで覆われ、ウインカーを埋め込んだスタイルとなった。まるで欧州車のような雰囲気を感じさせる

取材車両は`79年式の角目モデルで、イスズスポーツが買い取るまで、ワンオーナー車だったという驚くほど綺麗な個体だ。

オリジナルの2リッターDOHCながら、フルコンを使用して制御をおこなっており、現代の交通事情でも、快適なドライビングを楽しむことができる。

2 ドアのファストバッククーペながら、ルーフはC ピラーまで高さのあるデザインとすることで、後席の居住性も見た目以上に高いのが特徴
リアのテールランプも丸目モデルとは異なる。中央にISUZUの文字が入るパネルを挟んで横長のデザインとなった

 

ホイールは117Coupe の文字が入る専用の13インチのアルミホイールを装着。センターキャップもいすゞのエンブレムとなる
中央に二眼、そしてセンターに4 連の追加メーターが配置されたシンプルながらスポーティなコックピット
チェック柄の生地を座面に配したシートは前後ともにオリジナル。驚くほど良い状態をキープしている

【スペック】
全長:4320mm
全幅:1600mm
全高:1320mm
ホイールベース:2500mm
エンジン:直列4気筒
排気量:1949cc
燃料供給方式:電子制御式インジェクション
駆動方式:FR
乗車定員:4名
価格:404万8000円(税込)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
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