奥渋谷の遊歩道沿いにある、元・焙煎機エンジニアが手掛けるロースタリーカフェ「ロストロ」。

多くのカフェが軒を連ねる奥渋谷の遊歩道沿いにある「ロストロ」。同店のロースターである清水さんはもともと焙煎機のエンジニアという異色の経歴の持ち主。機械の構造までも熟知したロースターが生み出す珠玉のコーヒー豆。そしてコーヒーに掛ける想いとは。

職人の感性を大切にしたロースタリーカフェ。

米国製焙煎機のディードリッヒを愛用する清水さん。奥にはギーセンの焙煎機もスタンバイ。もちろんメインテナンスは自分で行う

バリスタからロースターへと転身する人は珍しくないが、焙煎機のエンジニアからロースターになった人は多くないだろう。しかし、奥渋谷に焙煎工場を構えるロストロの代表の清水慶一さんこそ、焙煎機エンジニアからロースターへと華麗なる転身を遂げた一人だ。

「焙煎機エンジニアという経歴を持っているからといって、特殊な焙煎をするわけではありません。一回ずつ丁寧に焙煎を行うだけです。また近年はコーヒー業界もデジタル化が進んでいますが、僕としてはできる限り専従者としての感性や姿勢、感覚などアナログな部分を大事にしながら焙煎を行いたいと思ってます」と話す職人気質に溢れる清水さん。

現在使用している焙煎機はディードリッヒとギーセン。どちらも重厚な質感が男らしい存在感を放っている

ロースターとなった現在でも、他店から要請があれば修理やメインテナンスに駆けつける、エンジニアとしても現役で活躍する。また焙煎所と隣接するカフェにも清水さんの信念は宿っている。

「ウチのカフェにはメニューはありません。来店したお客様とコミュニケーションをとって、気分や希望に合わせてその場で豆の調合や抽出方法を選択しているんです。だからお店に立つ時は、毎回真剣勝負なんで、結構緊張するんです()

カフェではお客様の希望する一杯を作り出すため、抽出方法を組み合わせて淹れることもしばしば。バリスタの流れるような所作にも注目したい
店内はウッドを基調とした温かみのある店内は、内装デザイン集団のM&Mが手掛けたものである

人気のコーヒー豆を紹介!

[豆の種類]
シングルオリジン 6070種類
ブレンド 20種類

[抽出方法]
ペーパードリップ/サイフォン/エスプレッソ

[焙煎機]
DIEDRICH/半熱風/12kg釜
GIESEN/半熱風/6kg

【シングルオリジン】キングタイガーLV15

アーシーで甘酸っぱい風味が両立した珍しいコーヒー豆。しっかりとコクがあるため甘さも感じられる。フレーバーもアフターテイストも長いのが特徴。

産地:スマトラ
焙煎:浅煎り
精製方法:スマトラ式
香り:アーシー
酸味:ジューシー
コク:しっかり
後味:すごく長い

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Lightning 編集部
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