都内で普段使いする1966年式エルカミーノの乗り味は?

編集部でも随一のアメリカ車好きであり、自身も数々のアメリカ旧車を乗り継いできた最古参・ラーメン小池。最近ではLightning、2nd、CLUTCH magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」でも“ライトニングガレージ”という、アメリカ車好き全開のゆるーい動画連載を開始した。今回は、グラッドハンドの橋本さんが所有する「1966年式シボレー・エルカミーノ」をキャッチアップした続編。アメリカ旧車ならではのセダンピックアップの走りの部分にフォーカスする。

セダンの顔したピックアップという異形のアメリカ車で走る。

フォードの対抗馬として生まれたシボレー・エルカミーノ。1959年に生まれ、1980年代まで生産されたアメリカの名車である。これは第2世代となる1966年式だ

シボレーのエルカミーノといえば、アメリカ車好きのなかでは有名なモデル。いかにもアメリカンなのは、セダンの顔をしながらもボディの後部が荷台になっているセダンピックアップというモデルだから。そんなエルカミーノの1966年式を所有するグラッドハンドの橋本さんは、このクルマを普段の足として使っている強者。

といっても、いわゆる旧車初心者が心配する故障やオーバーヒートといった事件も起きることなく、いたって快調だという。

先日も自走で東京から徳島県までを往復したきたというから恐れ入る。もともとアメリカ車はちょっとやそっとではへこたれない頑丈さも特徴。きっちりと整備されていれば半世紀以上前のモデルでもデイリードライブが可能だということを実証してくれている。

そんなエルカミーノを走らせてもらってレポートすることに。

気持ちよく回るV8エンジンはドロドロとアメリカ車らしいサウンドを聞かせてくれる。ゆっくりとアクセルを踏むと力強いトルク感で往年のアメリカらしさ全開。このエルカミーノはベンチシートで3人乗車が可能だということだけでなく、シートのすぐ後ろにリアガラスがあるキャビンはまさにエルカミーノでしか味わえない。

いずれは取り付けたいと橋本さんが言っていたエアコンはいまだ無いけれど、クラシックカーならではの三角窓から入ってくる風を受けながらダラダラと走るのが気持ちいいという。

さらに今回は急遽私も運転させてもらうことになりドライブ。普段アメリカのV8エンジンに乗っているけれど、同じV8でもまた違う感覚になるのは目の前の景色が違うから。1960年代特有の直線基調のインテリアは現代車両では味わえない。

いつも走っている道だってクラシックなクルマで走るだけでひと味違った景色に見えるということを実感するのであった。

1960年代のインパネは直線基調のデザインが主流。横長のスピードメーターなどは現代車両にはまずないデザイン。イグニッションキーをインパネに挿す機構もクラシカル。クルマの状況を確認するために必要なメーターは社外品を後付けしている
カメラマンが助手席に乗って私は中央に乗車。ベンチシートに3人乗車が可能なボディサイズがアメリカ車ならでは。これでもフルサイズボディのモデルよりコンパクトな車格なのだ
橋本さんからの無茶振りで急遽小池が運転することに。エンジンはトルクフルだし、ブレーキもよく効くので、普段大きなクルマを運転することに慣れていれば問題なし。V8エンジンの鼓動も格別。まだまだ手を入れたい部分はあるそうだけど、しっかりと整備されていることを再確認
やっぱり旧いアメリカ車は楽しいよねというのがそれぞれの共通認識。とくに旧いアメリカ車ならではのV8エンジンの乗り味は格別。橋本さんもこのクルマをこつこつとアップデートしながらずっと乗っていきたいという

▼ シボレー・エルカミーノの走りはこちらの動画でチェック!

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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