【東京クラフトビール図鑑】世田谷の地元に密着したビール作りをするブルワリー「ライオットビール」(祖師ヶ谷大蔵)

世田谷区砧の住宅街にある小さなブリューパブ、ライオットビール。ここではアメリカ系のIPAを中心に様々なビールを作り提供している。大きなタンクなはく、少量生産。だからこそ様々なチャレンジができ、訪れた人は常に新しいビールを楽しむことができる。

小ロットで新しいビールを作り続ける地元密着型ブルワリー。

ブリュワーになる2〜3年前までIT業界で働きながら、好きなビールの製造方法を勉強していたという江幡貴人さん。そして、半年ほどヨーロッパの小さな醸造所を巡り、帰国後も東京・十条にある「十条すいけんブルワリー」で修行、2017年に念願だったブリュワリー「ライオットビール」をオープンさせた。

「現在はアメリカ系のIPAが多いのですが、ベルギー系、イングランド系、アメリカ系をバランスよく出すことが目標です。1回に作る量が150ℓと少ないので、毎回新しいものに挑戦できるのが、ウチの特徴ですね」

現在10タップあり、オリジナルが作れた分だけ繋げ、その他はゲストを入れているそうだ。

「醸造で麦芽のカスが大量に出るんですが、常連の農家さんが肥料として引き取ってくれ、それで育てた野菜を持ってきてくれたりするんです。スタッフがその野菜で気まぐれにピクルスを作ってくれたりして(笑)。今年はその農家さんがホップも作ってくれていて、秋にはそのホップを使ってビールを作ってみようと思ってるんですよ」

おつまみは地元の農家からもらった野菜を使ったお手製のピクルスやナッツなどがいただける

作る量が限られているため、同じビールを何回も飲むことはできないが、それゆえに新しい味に出会えるのが、ライオットビールの魅力なのだ。

ブリューパブの奥にブリュワリーがある。通常は大きなタンクを用いるが、スペースを有効活用するために、冷蔵庫の中にビニール袋を入れて発酵容器にした「石見式」という方法を採用。少量しか作れないが、その分様々な種類のビールが作ることができる
カウンターと簡単なテーブルを設置した約10席ほどのこじんまりとした空間で、気軽に立ち寄りやすいのが魅力。奥にブリュワリーがある
オーナーの江幡貴人さん。2018年にブリュワリーとタップルームをオープンし、切り盛りをしている。一番好きなビールスタイルは、ビールにはまるきっかけとなったイングリッシュエール。タップルームでも何種類か提供

「RIOT BEER TAP ROOM」で飲みたいビール。

IPA

しっかりとした麦感とホップの香り、苦みを感じられる一杯。ライオットビールの定番で、まずはこのIPAを味わってみるのがおすすめだ。

ベルジャンセゾン

二次発酵にシャンパン酵母を使用したスッキリとした飲みやすいセゾン。芳醇な香りと飲み口にシャンパンらしさがあり、優雅な口当たりが魅力。

ポーター

黒ビールならではの麦芽由来のロースト感を楽しめるビール。香ばしさとコクはしつこくなく、夏でもサラッと飲みやすい仕上がりが魅力だ。

【DATA】
ライオットビール タップルーム
東京都世田谷区砧5-11-10
TEL050-5809-9387
営業/15:00〜21:00(平日)、12:00~21:00(土日曜)
休み/なし

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning2019年8月号増刊 東京クラフトビール」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...