伝統と革新が融合。新時代の標となるバー「ORCHID BAR(オーキッドバー)」|東京・虎ノ門

ウイスキーをベースにしたカクテルの王道「オールドファッションド」で、そのバーの格式が決まるとされているバーの世界。つまり、オールドファッションドが美味しいバーは、レシピにこだわりそして心地のいいサービスも提供してくれるのだ。一度は訪れてみたいホテルのバーラウンジであり、極上のひとときを提供してくれるオークラ東京にある「オーキッドバー」へ、いざ。

オークラ東京の 中核をなすメインバー。

オーキッドバー内観。ロングカウンターは、独特の色合いが特徴の神代ニレという地中に埋もれていたものを掘り起こして作られた木材だ

日本モダニズム建築の最高傑作と称されながらも、2015年に惜しまれながらも建て替えとなったホテルオークラ東京 本館。2019年ついにその建て替えが完了、名前をオークラ東京に改め、グループの旗艦ホテルとして912日に開業した。

その中でもオークラ プレステージタワーという、国際都市東京を体現するモダニズムと躍動感あふれる建物の5階にあるオーキッドバーは、オープン当初から話題沸騰だった。

蘭をモチーフとした花形のランプシェードは、瑪瑙縞風を六角形のガラスに施したオーキッドバーの象徴だ

本館時代からのテーブルを再利用するとともに、歴史を刻んできた革張りの椅子も再製作。本館閉館時にファンに惜しまれたロングカウンターも13m13席にて生まれ変わっているのだから、往年のファンも納得。継承する重厚な雰囲気と一流のバーテンダーの技が、極上のひとときを提供してくれる。

世界的に希少なアイテムも含め、500種を超える豊富な洋酒のストックや、約80席とバーとしては十分な席数、さらに訪日外国人の時差ボケの解消などに役立ててもらうべく行っている昼間からの営業も本館開業当時から継続。まさに令和の世の中にふさわしい新時代の標といえる。

銅板テーブルは、本館として営業していた頃から使用しているものをリプロダクト

味が調整可能なライウイスキーは オリジナルテイストで楽しみたい。

すっきりとした味わいとほのかな甘い香りが特徴のライウイスキー、カナディアンクラブがベース。オレンジや砂糖を溶かして好みで楽しもう。

角砂糖にアンゴスチュラビターズを34滴染み込ませ、ソーダを少し垂らして潰す。細かく砕いた氷でグラスを満たしたらカナディアンクラブを注いで、スライスしたオレンジ、マラスキーノチェリーを乗せる。レモンの香りを振りかけて軽くステアしたら完成。

【レシピ】
カナディアンクラブ 45ml
オレンジスライス 1
マラスキーノチェリー 1
アンゴスチュラビターズ 数滴
角砂糖 1
レモンピール 1
ソーダ 少量

永光秀次さん|オークラホテルズ&リゾーツやキリンが開催するカクテルコンペティションで上位入賞の実績を持つシニアバーテンダー。至高の一杯に出会えること間違いなし

オリジナルからヴィンテージまで希少銘柄の宝庫。

Orchid Barがセレクトしたウイスキーは、現在は一般に流通していない旧ラベルのものから、国産のオリジナル長期熟成ものなど、どれも通常では手に入らないものばかり。さらに洋酒であるGLENFARCLASも醸造長とともにオリジナルブレンドを作るなど、このラインナップはさすが日本を代表する格式高いホテルといったところ。

The Okura Tokyo 開業記念 ボトル 富士山麓30

国産の長期熟成ブレンドウイスキー。カステラのような甘味が特徴。ボトルは江戸切子となっているだけでなく、ケースも桜の木箱を使用。

THE MACALLAN 12 旧ボトル

1980年代前半のもので、こだわりのシェリー樽で熟成された甘くまろやかな香りと重厚な旨味が特徴。

SPRINGBANK 25 ダンピーボトル

キャンベルタウンの長期熟成モルトウィスキー。ストロベリーテイストの甘味があり、モルトの香水とも言われる。

TALISKER 12 旧ボトル

スコットランドのスカイ島のモルトウィスキー。1980年前半の流通品となっており、ザ・ディスティラリーズ・エージェンシー社時代のもの。

The Okura Tokyo オリジナル GLENFARCLAS 21

醸造長のカラム氏とともに厳選したオリジナルブレンド。通常の21年よりもアルコール度数が高い。

PORTELLEN 20 1978

現在、蒸溜所は1987年以降閉鎖中。レアモルトシリーズと呼ばれており、幻の銘酒とされている。ドライな味わいでハイプルーフが特徴。

BOWMORE 25 旧ボトル

アイラ島の長期熟成モルトウイスキー。1969年に蒸溜されたもので、この時代のボウモアからは南国フルーツのような甘味が感じとれる。

オーキッドバーのグラス考。

オールドファッションドグラス

ウイスキーのダブルやスピリッツのロックを出す時に使うロックグラス。手に持つとずっしりとした存在感がある。

オールドファッションドグラス

ウイスキーをシングルで提供する時に使用するロックグラス。底のグラスが厚くなっているので、氷が溶けにくい。

ウィスキーストレートグラス

ストレートで味わうための定番の小振りのショットグラス。掌におさまる、ほど良い大きさと形状になっている。

テイスティンググラス

ストレートで提供する時に使用。ウイスキーの香りがグラスの中で漂うため、繊細で複雑な香りが感じやすくなる。

DATA
ORCHID BAR(オーキッドバー)
東京都港区虎ノ門2-10-4 The Okura Tokyo オークラ プレステージタワー5
TEL03-3505-6076
営業/15時~24
休み/無休
http://theokuratokyo.jp

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.214「ウイスキーブック」

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