往年のファンも胸躍る。ディフェンダー好きに向けた世界限定30台のV8モデルが登場。旧車が新車で甦る!!

英国を代表するヘビーデューティな4WDという側面だけでなく、日本ではアクティブなファッショニスタにも人気を誇るランドローバー・ディフェンダー。そのクラシカルなスタイルからは一新し、現在ではフルモデルチェンジした新型になっているけれど、過去にランドローバーはクラシックと称して昔のモデルを併売や限定発売をしていた歴史がある。そんな企画を思い起こさせるスペシャルなモデルが登場した。今回は先代のディフェンダーをベースに、V8エンジン搭載車で世界限定30台というエクスクルーシブルなモデルだ。こういうコアなファンに向けた取り組みには賞賛しかない。その内容をご覧あれ。

ヘリテージをテーマにした初の特別仕様車。

それまでのランドローバーの歴史を重んじるランドローバー・クラシックが初の特別仕様車として発表したのがこのモデル。

「CLASSIC DEFENDER WORKS V8 ISLAY EDITION」と名付けられたモデルで、ランドローバー創設者の1人で、スコットランドのアイラ島でもっとも有名な人物でもるスペンサー・ウィルクスが所有していた’65年式ランドローバー・シリーズIIAからインスピレーションを得て製作されたスペシャルなモデルだ。

2023年はランドローバー誕生75周年という節目ということもあり、ランドローバーという名前が生まれたスペンサー・ウィルクス氏とアイラ島に敬意を表して生まれたのがこれ。細部に至るまで限定車らしい仕様が見て取れるだけでなく、各車両はランドローバー・クラシックのスペシャリストたちがベース車両を調達し、入念にレストア、リビルトをしている。しかもV8エンジンを搭載しているところも、V8エンジン愛好家の筆者としては見逃せない。

メーカーが自身たちの手で旧いモデルに手を入れてリファインし、限定車として公式に発売するなんて、ひと昔前では想像もできなかったこと。それだけでもファンにはうれしい取り組みであることは間違いない。

ちなみに、限定台数はショートボディの90が17台で価格は23万ポンド。ロングボディの110が13台で24万5000ポンドで販売されるという。正直、高値の花。

世界でたった30台しか存在しない稀少車は、手に入れることは困難かもしれないけれど、こういう企画は往年のファンの心を熱くさせてくれる。

そのスタイリングから仕様まで、エクスクルーシブな仕様で埋め尽くされる。

今回のモデルはヘリテージグレーのボディカラーのみ。厳選された2012年〜2016年式のモデルをベースにし、ショートボディの90(写真のモデル)とロングボディの110がラインナップされる。ホイールもクラシカルなスチールホイールを装着する
搭載するのは自然吸気の5リッターV8になるガソリンエンジンで、405PSを発生させる。必要にして十分なパワーを体感できる。組み合わされるトランスミッションはZF製の8速オートマチック。このパワートレインに合わせてサスペンションやブレーキもアップグレードされている
機能美という言葉がふさわしいインパネ周り。クラシカルに見えるが、衛生ナビゲーションやBluetoothといった最新装備も搭載しているところがうれしい。上部センターにあるアナログ時計は木目調になっていて、細部にまで特別な意匠になっている
内装にはアイラ島の毛織物工場が織り上げたツイード生地を各所に採用している。ツイードのパターンはアイラ島の風景を反映したアースカラーを基調にしていて、現地の情景を想像させる仕上がりになっている
リアのラゲッジスペースのフロアにはオーク材を使用したトリムパネルを採用し、クラシカルながらも上質な雰囲気がある。これらのウッドパネルは新型レンジローバーと同じもので、高いクオリティを誇る
ISLAY(アイラ)の文字が刻印された特別なエンブレムを装着。かなりのディフェンダー好きでなければすぐには気がつかない、さり気ない特別仕様感がこれまたうれしい

新型モデルだけでなく、自社の歴史やレガシーに敬意を払い、究極のヘリテージ・ランドローバーを探している目の肥えたファンも熱くさせる取り組みは、伝統や格式を重んじる英国ブランドならでは。すでにプレミア必至といった内容だけど、英国車好きだけでなく、往年の旧車ファンやファッショニスタも気になるモデルであることは間違いない。

【問い合わせ】
ランドローバーコール(フリーダイヤル)TEL0120-18-5568(9時〜18時、土日祝日を除く)
https://www.landrover.co.jp

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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