SUN SURFとMr.FATMANがコラボした、アロハシャツに最も合うハットが完成!

パナマハットにアロハシャツ。最高に相性の良いこれらのアイテムを手掛けるブランド同士がタッグを組んで、他に類を見ない魅力的なハットが完成した。製作を手掛けたのは、THE FAT HATTER が展開するブランド『Mr.FATMAN』。今回はアロハシャツ研究家である SUN SURF の中野さんと、自身も SUN SURF の愛用者である Mr.FATMAN の菊地さんに、コラボモデルのこだわりを伺った。

サンサーフとミスターファットマンの初コラボで生まれた、アロハのためのパナマハット。

「SUN SURF」企画総括/アロハシャツ研究家・中野喜啓さん|アロハシャツ好きが高じてハワイに渡り、その歴史を知る日系移民と交流し情報を収集。アロハシャツ研究家でSUN SURFの企画総括も務める

アロハシャツに最も合うパナマハットをリリースしたい。サンサーフの企画統括を務める中野さんは、かねてよりその想いを抱いていたという。南の楽園ハワイというと、リゾートの島として発展した歴史もあり、カジュアルな装いのイメージが強い。

しかし、イギリスやフランス、アメリカなど時代ごとに統治していた国の影響もあって、洋服の文化がしっかりと根付いていた。当時の写真を見ると、三つ揃えのスーツにハットを被った紳士の姿をよく目にするが、それが何よりの証だろう。

ハワイでパイナップル農園やサトウキビ畑を管理していたアメリカ本土の富豪だけでなく、サンフランシスコからハワイへ航行していた豪華客船『マトソンライン』を予約した乗客に配られていたパンフレットにも、現地の男性の装いについて「パナマハットにアロハシャツ」と記載されており、ハワイの王族たちにも愛されたパナマハットは、次第にハワイでも定番になっていったそうだ。

そんなパナマハットを製作するにあたり、中野さんはサンサーフと同じ信念を持ったモノづくりをしているブランドに依頼したいと考えた。ディテールへのこだわりと、常識を超えた執着心。そこで辿り着いたのが、ファットハッターだったというわけだ。

「Mr.FATMAN」オーナー・菊地章仁さん|欧米のオーセンティックなハットメイクにとことんこだわりながら、真摯な日本のモノづくりでそれを具現化する帽子業界の重要人物

奇しくも、ファットハッターの菊地さんもサンサーフのモノづくりに共感し、以前からその愛用者のひとりだったことで、今回のコラボレーション・プロジェクトについて、二つ返事で進展するに至ったわけである。

サンサーフが手掛けるアロハシャツの黄金期は1950年代。そして、その時代のアメリカンカルチャーを軸にしたハットを展開するブランド、ミスターファットマン。両者が想いを込め、当時のモノづくりを忠実に再現した初コラボレーションのハットを、ぜひとも味わっていただきたい。

“MACINTOSH MENU”HAWAIIAN PANAMA by Mr.FATMAN

パナマ(トキヤ草)を使ったロングブリムのもの。ハイクラウンではないため、初めての方でも愛用しやすい。マッキントッシュのメニュー柄の生地をリボンに使用。4万2900円

昔ながらの段巻きリボン仕様で、このためのピンから別注品というこだわりよう。サンサーフのアロハシャツ生地で仕立てたリボンは取り外し可能で、外すと黒いリボンが姿を現す。内側のリボンは通常38㎜幅なのだが、あえて28㎜と細めに設定して違う楽しみ方ができるようにしたそうだ
クラウントップは専用のティアドロップ型
スベリ部分には牛革を使用。ハット本体にスベリを縫い付ける際には、昔ながらの欧米の手法である「Iステッチ」と呼ばれる特殊な縫製技術が用いられている。日本ではTHE FAT HATTER でしか実現できない仕様のひとつ

“LILY IN PARADISE” ISLAND BAO by Mr.FATMAN

ロングブリムのモデルとは色目もカタチも変えたこちらは、バオ(ココヤシの木の葉)を使用。パナマよりもざっくりとした生地感で通気性に優れている。3万5200円

リボンには1950年代後期のヴィンテージアロハシャツから再現したユリの花柄のレーヨン生地を使用。こちらのモデルはリボンが取り外しできない仕様なので、どんな着こなしにでも合わせやすい配色のアロハシャツ生地をサンサーフの中野さんが選定した
定番のセンタークリースのクラウントップ

被った際にスベリの左側にハットメーカー、右側に別注したブランドの刻印が押されるという1950年代当時の仕様もそのまま踏襲している

【問い合わせ】
SUN SURF(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
https://www.sunsurf.jp/

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

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ランボルギーニ三浦
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ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
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