裁縫男女の腕を上げてくれるスターディ・レザーアカデミーに体験入学してきたぞ。Vol.1 下準備編

趣味で裁縫をしている人ってけっこういるかと思うけれど、自分の腕を上げるために、プロに習うというのもひとつの方法。横浜でハンドメイドのバッグやレザージャケットを展開するスターディ・ラゲッジサプライでは、一般の人にレザーアイテムやデニムのエプロンなど、任意のアイテムを職人さんが教えてくれながら製作できるレザーアカデミーを開催していて、何度も受講するリピーターも多いという。

そこで個人的にも裁縫が趣味であるライトニング編集部の小池が体験入学してきたぞ。

先生にアドバイスしたもらいながら、デニムエプロンに挑戦!!

今回体験入学で製作するのはデニムとレザーを使ったエプロン。通常は1回の受講料が2時間なので、2時間でできるところまでやり、完成するまで何度も受講するというのが基本になる。

制作物も初心者からトライできる簡単な小物から、プロも顔負けの本格的なバッグまでチョイス可能。工房には素材だけでなく、業務用の各種ミシンや道具がそろっているので、こちらで何かを用意する必要がないこともうれしい。

業務用のミシンを扱えるだけでも貴重な経験なだけでなく、実際にブランドのアイテムを製作している現役の職人さんが講師としてアドバイスしてくれるので、プロの技術を聞くことができるのもためになる。

受講者は自分の裁縫の腕を上げるための人や、自分で作ったアイテムを身につけたい人、技術を身につけて将来的には自身のブランドを持ちたいという人、さらには老後を見据えて技術を身につけたい人など様々。受講は予約制なので、自分のスケジュールに合わせて行けるっていうのもありがたい。

今回はデニムとレザー素材を使うスターディ・ラゲッジサプライのオリジナルデザインになるデニムエプロン(中級者レベル)に挑戦することに。

その体験の様子をごらんあれ。

受講生が製作できるバッグやウォレット、それにエプロンなどはご覧のように種類は豊富。難易度はアイテムによって違うので、自分のスキルに合わせて複数個ステップアップしながら受講する人も多いという。もちろんアイテムによって作業時間もそれぞれ
今回挑戦するのがこのエプロン。ボディにデニムを使い、ストラップや取り外しが可能な胸のレザーポケットを装備しているスターディ・ラゲッジサプライのオリジナルデザイン。胸にはステンシルも入る
今回製作のアドバイスしてくれた先生である中島さん。普段はスターディ・ラゲッジサプライの縫製職人として腕をふるう。自身でもプライベートで洋服を作ることもあるというマイスターである
まずはエプロンを構成する各パーツ(ビブやポケット、ボディなど)を裁断する。用意するのはデニム生地とパターン(型紙)、それに定規、チャコペン、重りなどを使用する
パターン(型紙)を生地の上に置いて、周囲をチャコペンでなぞることで裁断するラインを生地に書いていく。直線部分だけなく、カーブした部分もあるので気を抜けない
デニムエプロンのボディに使うデニム生地は、両端にセルビッジが付くヴィンテージ仕様。旧式の力織機で織られた昔ながらの風合いのあることから、使い込むことで生まれる経年変化も期待してしまう
生地にただただパターンを合わせていけばいいのではなく、廃棄する生地がなるべく少なくなるように、生地の取り都合を考えることが大事だと教えてもらう。こういうポイントはプロが講師になっていることならでは
小学校の家庭科の授業で使った以来かと思われるチャコペン。型紙にそってラインを書いていく。これ自体は失敗してもやり直しができるので、自分なりにはスラスラとできたつもり。エプロンがどういうパーツで構成されているかを勉強
すべてのパーツの型紙をデニム生地にトレース完了。上部の左右にあるのはパッチポケットのパーツで、開口部に生地のセルビッジ部分が来るデザインなので、ご覧のようになる。次にこの線に沿って裁断していく
通常の工場では、生地を重ねたら、マシンを使って何枚もを一気に裁断していくけれど、アカデミーでは1枚だけなのでハサミを使って手作業で裁断していく。パーツ自体もそれほど小さくないのでそれほど難しい作業ではない
すべてのデニムパーツの裁断が完了。さすがにここまでは裁縫仕事をしたことがない人でもできるだろう。デニム生地はこのあと縫製をするための下ごしらえ作業へ。その前に次はレザーパーツの裁断作業を行う

今回はデニムの裁断まで。使ったのはデニム生地なので多少裁縫を経験したことがある人であれば大きな失敗をすることはまずない。ただし、普段趣味程度でしか裁縫をしない小池でも、ここまででけっこうな疲労感(笑)。慣れないことに挑戦するのは楽しいけれど、それなりに疲れることを知る。次回はさらなる下準備へ!!

【DATA】
Sturdy Luggage Academy

初回体験コース

受講料:4000円(2時間)

材料費:1500

製作物:レザーペンケース

通常コース

入会金:4000円

受講料:1レッスン4500円(2時間)+材料費(制作物で変動)

制作物:バッグ、ウォレット、デニムエプロンなど任意で選択可

場所:横浜市港北区新羽町1218-1スターディ工房内

TEL045-900-2211 sturdy@lucent-jp.com

https://www.instagram.com/sturdyluggagesupply/?hl=ja

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...