スタジャンのワッペンの配置の基本を知ってるか?

通称スタジャンというのは和製英語で、現地ではヴァーシティジャケットやレターマンジャケットと呼ばれている。デコレーションされたワッペンや刺繍には意味があり、スポーツで好成績を収めたことを証明するジャケットでもある。そんな誇り高きスポーツジャケットを名店「バディ」の望月さんが解説する。

「バディ」ディレクター・望月忠宏さん

1971年生まれ。1993年に名店バックドロップのスタッフとして入社。その後、2007年にバディをオープン。これまで数々のオリジナルのヴァーシティジャケットを製作してきた。

ジャケットを見れば学生時代の功績がわかる? ルールを知ればスタジャンをより楽しめる。

日本でヴァーシティジャケットが流行したのは、’80年代頃。アイビー的な流れもあったが、アメリカのライフスタイルに憧れる学生たちがチームオーダーして作るほうがメインだった。そんな日本の流行も知り、アメリカのカルチャーも理解する数少ない知識人がバディのディレクターを務める望月さん。その流儀を教えてもらった。

「アメリカではアワードジャケットやヴァーシティジャケットと呼ばれていて、スポーツで優秀な成績を収めた学生がわかるようなジャケットなんです。彼らは母校やチーム名の頭文字やマークを貼り、袖には卒業した年や優勝した年号、チーム名など入れ、そのジャケットを見れば、どんなスポーツでどのような功績を収めたかがわかるようになっています。またアメリカの学校はスクールカラーを大切にしますから、リブのラインとワッペンやシニールの色を合わせるのがお決まりごと。そんなルールがわかるとより楽しめるアイテムなんです」

覚えておきたいワッペンの基本レイアウト

一見、自由なカスタムに見えるワッペンはある程度ルールが決まっている。これを知っておけば自身でオーダーする際にチグハグになることなく、様式美に溢れた仕上がりになるのだ。

BUDDY VARSITY JACKET

バディのオリジナルで製作したヴァーシティジャケット。ネイビー×ゴールドのカラーリングをベースに、ワッペンや刺繍などもすべてオリジナルで作っている。参考商品

リブのカラーリング

リブのカラーリングはスクールカラーであることがほとんど。このカラーリングのワッペンやシニールにするのがヴァーシティジャケットの流儀。

左袖のワッペン

左袖の年号は在学した年などを入れるのが定番。所属していたチームのポジションや背番号を入れる学生もいるケースもある。

胸のワッペン

胸のワッペンは学校やチーム、地域の頭文字を入れる。また文字の中に野球であったボールのように所属する部活のアイコンを入れた。

胸の刺繍

胸の刺繍は所属していたチームが州などでチャンピオンに輝いた時の概要や年号が多い。アワードジャケットと呼ばれる由縁。

右袖のワッペン

この場合はチームのワッペンが貼られている。もちろんチームカラーもスクールカラーと紐付いているので、この場合はネイビー×ゴールドになるのだ。

映画の衣装にも使われた!

’80年代に巻き起こったヴァーシティジャケットブームは、映画の影響も大きかった。望月さんが特にオススメするのが、ビバリーヒルズ・コップとリーサルウエポン。

こんなカスタムもアリです。

ジャケットのカラーリングに合わせたワッペンはもちろんのこと、真鍮パーツもラインナップ。野球やフットボールなどのアイコンがカスタムできる。550円〜

HOLLOWAY VARSITY JACKET

今では希少となっているアメリカブランドのヴァーシティジャケット。プレーンな状態なので、ここからワッペンやピンズなどのカスタマイズを自分で楽しめる。5万5000円

【問い合わせ】
BUDDY U.S.CLOTHING
東京都渋谷区神宮前2-20-12
TEL03-5848-8450
営業/12:00〜20:00
休み/無休
http:/www.buddy71.com
Instagram@buddy.71

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning2022年11月号 Vol.343」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Pick Up おすすめ記事

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...