THE REAL McCOY’Sを支える匠の技。宮城県栗原市の工場を訪ねて。

リアルマッコイズのレザー以外のアイテムは、東北に点在する3 つの自社工場で作られている。今回は、宮城県栗原市にある工場に伺った。そこは、年季の入った熟練の匠たちの熱気で溢れていた。

リアルマッコイズの本当の凄さはここにある。

ここ栗原市にあるリアルマッコイズの工場では、20名ほどの職人の方が働いているという。元はデニムの縫製工場であったというが、現在ではナイロンフライトやワークウエアなど、レザー以外のアイテムを中心に作っている。

ずらりとミシンが並ぶ工場内。職人の方に話を伺うと、「リアルマッコイズの仕事は、高い精度が要求されるが、自社工場なのでじっくり丁寧に作ることができるのが嬉しい」と返ってきた。例えばM-65 などのミリタリーガーメンツの場合、パーツ数が非常に多く、通常の工場では断られることも多いという

縫製工場というと、その労働力を外国人労働者に頼っている工場が多いが、このコロナ禍で皆帰国してしまい、事実上の閉鎖に追い込まれた工場も少なくない。しかしここで働いているのは、みなさん地元で生まれた方ばかり。そのため、コロナ禍という未曽有の事態に陥っても、普段と何ら変わることなく、生産を続けられているという。食事時になると、笑い声がそこかしこから聞こえるほど、工場内はアットホームな雰囲気。

取材当日は、N-1デッキジャケットを中心に作っていたが、そのハードなアイテムとのギャップに、少しばかり驚いてしまう。しかし、ここで働く職人の方々は、長きにわたり技術に磨きをかけてきた猛者ばかり。だからこそ、パーツ数の多い、手のかかるフライトジャケットを、精緻に作り上げることができるのだ。

リアルマッコイズを支える匠たち。彼らの凄さの片鱗を見た。

N-1ネイビーのアウターシェルであるジャングルクロスを手際よくリズミカルにミシンで縫っていく
マシンのメンテも職人の大切な仕事。写真は、ハトメマシンを修理中。旧い機械も多いため、定期的にパーツを交換していく
N-1の脇部分のパーツの縫い代にアイロンを掛けていく。こうした工程の積み重ねが、リアルマッコイズのアイテムを生むのだ

(出典/「Lightning2022年9月号 Vol.341」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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