ジャンクなアンティークは本来の使い方を無視して、インテリア雑貨として使う!

アンティーク好きはグッドコンディションを常に探すけど、庶民的なプライスではないのがタマにキズ。もちろん、それらを家に並べれば部屋がミュージアムのようにグレードアップすることは間違いないけど、経年によって少し疲れた風合いのアンティークは、買いやすい価格だし、部屋に置くだけでこなれた雰囲気を演出できる貴重なインテリア雑貨だとここで断言したい。

そこで編集スタッフが自身の家庭で使っているジャンクなアンティーク雑貨を集めてみる。本来の使われ方ではないかもしれないし、「?」なアイテムもいろいろあるけど、部屋の雰囲気の引き立て役として活躍してくれるので、独自の使い方を考えながら、いろいろ挑戦してみると実に楽しいのでおすすめだ。

1.1910 Ball Jar “SURE SEAL”

いまはなき古着の名店スペックスで何年も前に購入したボール社のメイソンジャー。未使用品のような綺麗な状態だったので、お菓子を入れてダイニングテーブルに置いている。このロゴは1896〜1910年のもので、SURE SEALという蓋付きのこの瓶は、1910〜1922年だけ作られていた。つまり1910年製のレアモノだそうです(ランボルギーニ三浦)

2.Framed Vintage Magazine

左はノーマン・ロックウェルが描いた1934年のサタデー・イブニング・ポスト誌。ガラス入りのウッドフレームは特注。右は世界最大の経済誌、フォーチュン誌の創刊年である1930年9月号の表紙をIKEAのアルミフレームに。この表紙、アメリカでも高額だったな……(ランボルギーニ三浦)

3.Vintage Market Basket

国内の古着店で見つけた小振りで布張りのショッピングバスケット。Handy Folding Pail Co.製(有名なのかな?)でアメリカのスーパーマーケットで使われていたものらしく、そのカラーリングが最高。これを自宅で、スマホの充電器やコード、それにテレビのリモコンなんかを入れてリビングに置いている(松島親方)

4.Vintage Tinplate Truck

ヴィンテージのブリキのトラックは、いまでは大人がこぞって探すコレクタブルな存在になっている。それゆえアメリカでも価格が高騰。これらはそんなに高騰する前に入手したもので、荷台に鉢植えを置いて、自宅玄関にディスプレイしている。右は1930年代のもので、左は1950年代後半〜’60年代初期のTonka社製のもの(ランボルギーニ三浦)

5.Old Car Gauge

旧いクルマのメーターは人の手で作られていたり、プラスチックが一般的ではなかったために金属とガラスで構成されてたり、ひとつの物体として非常に興味深い。今のクルマのパーツがどうしても安っぽく見えてしまう。だからこそ、こんなパーツを棚の隙間に置いたり、ブックエンドとして使ったりすると悪くないんだよね(ラーメン小池)

6.Framed Old Magazine

なぜ空想上のクリーチャーがここまでブームになったのかはわからないけど、1960年代のアメリカではこの手の専門誌が複数出版されていた。そのなかでもインパクトのある表紙をアメリカで見かけて購入。といっても中身を見るわけではなく、こんな強烈な表紙をいつか私も作ってみたいと額装してインテリアにしてみた(ラーメン小池)

7.Antique Trophy

以前、ニューヨークのアパレル合同展に出展したとき、休憩エリアのテーブルにアンティークのトロフィを複数個ディスプレイして、そこにサボテンが植えられているのを見たときに「これだ」と思い、それからアンティークトロフィを集めるように。昔のトロフィのシンプルなデザインとヤレた雰囲気は最高のオブジェに(ラーメン小池)

8.Framed Shopping Bag

私はショッピングバッグも気に入ると額装する。左はかつてウエアハウスがLeeとコラボして展開していたホワイトレーベルのもの。戦前のLeeのデザインが魅力的で、ウッドフレームに入れている。右は神戸にあるヴィンテージ眼鏡専門の人気店、SPEAKEASYのもの。マットは特注品(ランボルギーニ三浦)

9.Old Letter Press

ロンドンのポートベローマーケットにはいつも活版印刷で使われていた活字を販売しているおっさんがいる。そこでバラバラのアルファベットを自分で探してLightningとClutchをそろえてオブジェとして使っている。これだけそろえるとけっこうな価格になっちゃったんだけど、クラシカルなオブジェとして、棚の隙間とかに置くだけで雰囲気が出るぞ(松島親方)

10.Antique Camera

もうずいぶん前にロサンジェルスに出張に行ったときにローズボウルのフリーマーケットで出会った旧いカメラ。右が旧ソ連製で左がアメリカ製。使えるかどうかも確かめず、そのデザインに惹かれて購入。いつかこいつを使って写真を撮ろうと思った矢先に世の中がデジタルカメラに移行したため、今では部屋のオブジェとしてインテリアに(モヒカン小川)

11.Antique Boxing Glove

ロサンジェルスを訪れたときに、撮影も兼ねて行ったローズボウルのフリーマーケットで出会ったヴィンテージのボクシンググローブ。売り主が言うにはフランス人の兄弟ボクサーが使っていたものらしく、’60年代製。そんなストーリーも気に入って自宅の壁に掛けようとしたら、あまりの重さに断念。今は置物として存在感出してます(サカサモト)

12.Old Can

本来ならば捨てられてしまっていても不思議ではない空き缶も、昔のデザインはそれだけで十分にカッコいいのか、アメリカンアンティークの常連アイテムになっている。そのままで棚の隙間に置いてもいいし、ペン立てや小物入れとしても機能するだけでなく、昔ながらの凝ったパッケージデザインが部屋を華やかにしてくれる(ラーメン小池)

13.Old L,L.Bean Tote Bag

’80年代のL.L.ビーンのトートバッグを手にしたときから、同じような年代のハンドルが短いタイプのL.L.ビーンを
集めるように。これは国内の古着店で見つけたモノで、お世辞にもキレイとは言えないので外で使うことは断念。それじゃおもしろくないので、細かい衣類をまとめて入れて、バッグごとクローゼットに放り込んでおく使い方を考案。アイデアの勝利です(サカサモト)

14.Antique Jax Jack

ミッドセンチュリーのまっただ中にアトミックなデザインで生まれたジャックスジャックはドアストッパーやブックエンド、それにオブジェとしても機能する優秀で重たい物体。私はこれを本来の使い方ではなく、メガネやサングラス置きとして使う。玄関に置くだけでも悪くないけど、実用品として使用してます(サカサモト)

15.Miniture Leather Jacket

かつてサムライジーンズの取材でショップに行ったときに見つけたミニチュアのレザージャケット型カップホルダー。実際と同じ素材を使って見事にディフォルメされた佇まいにやられた。当時はA-2とG-1が存在してたけど、G-1は着ないのでA-2を手に入れて吊して部屋のオブジェに。さらに革ジャンを着ない時期にはこいつを触って心を癒してます(モヒカン小川)

16.Shoe Making Tool

アメリカのアンティークモールで手にした鉄製の物体はシューズのソールを釘打ちするときに使うツール。これをハットスタンドやアクセサリーホルダーとして使えるんじゃないかと思って購入したのはいいけれど、意外と不安定。本来はフロアやデスクにコイツをネジなどで固定して使うようで、現在はオブジェに(ADちゃん)

17.Antique HERSEY’S Can

アメリカのチョコレートメーカー大手であるハーシーの担当をしていたとき、現地ペンシルバニア州ハーシータウンに行った。そこはハーシーの製造に関わる人たちの街で、アンティークショップには旧いハーシーグッズが豊富。昔のパッケージはそのままインテリアになる(モヒカン小川)

18.Baby Western Boots

じつはこの手のベイビーシューズを見つけるとすぐに買ってしまうのは悪い癖。おそらく当時は赤ちゃん誕生のギフト用に作られていたモノだと想像するけど、もらっても赤ん坊が履くこともなく、だいたいがデッドストックでアンティークとして出てくる。オブジェでもカワイイけど、私はペン立てとして使ってます(ラーメン小池)

19.Antique Nail Cup

上部のトレイがくるくると回るようになったこれは、かつて工場などで釘を入れて使っていたというインダストリアル系アイテム。その重厚感と飾り気の無いデザインはさすが。もちろん、日常生活で釘を使うことはほとんどないので、これを玄関に置いて時計入れとして使ってるんだよね(サカサモト)

(出典/「Lightning 2020年9月号 Vol.317」)

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...