【お手本にしたい家作り】内装はシンプルなまま、存在感のあるファニチャーで作る空間。

住まいのインテリアは、動線や実用性も重視したいけれど、やっぱり人生で長い時間を過ごす“住処”をどんな風に作り込むか、どんなイメージでコーディネートするか、自分らしいライフスタイルを反映したお気に入りの空間づくには、こだわりたいところ。

そこで、インテリアのヒントにできる実例をご紹介。しっかりとライフスタイルを持った人が自分たちの「好き」を空間で表現したひと癖もふた癖もある居住空間には、真似をしたくなるアイデアがいっぱい! 今回は、空間内に置くファニチャーや雑貨によって雰囲気を作るキリル・バガートさん。コツコツ集めたヴィンテージファニチャーが彩る空間に潜入!

アンティークでも、使ってこそその実力がわかる。

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カリフォルニアスタイルのインテリアといえば、ビーチを感じるサーフ系や、オイルの匂いがしそうなガレージ系を想像しがちだが、かつてのデザイナーズ・ファニチャーをメインにした、優等生的なスタイルも少なくない。

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ロサンジェルスはシルバーレイクにあるショップ「カウンティLTD」のクリエイティブ・ディレクターをしているキリルの自宅は、真っ白な空間にセンス良くヴィンテージファニチャーを置いたショールームのような居住空間。

インテリアのチョイスは自分の直感を信じているけど、ベースにあるのはナチュラルな木製のファニチャーが好きだということ。大好きなイタリアやフレンチのモダニズムや、メキシコやアフリカのスタイルを取り入れているという。
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その教科書は旧いインテリア書籍など。そこからインスピレーションを受けて理想の居住空間をこつこつと作っていった。そのためにはヨーロッパ諸国も行ったし、コレクターとコンタクトを取ったり、さらにはローカルのフリーマーケットにも足を運んだという。いわゆる自分の「好き」を追い求め、足で稼いだ結果がこの空間を作り出したのだ。

ファニチャーに重きを置いて、過度には飾らない。

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オランダのデザイナー、シーズ・ブラークマンのデザインした木製のキャビネットは1945~1965年まで製造されていたもの。巨大だが圧迫感のないデザイン。棚の上にはアンティークのポッタリー(陶器)を中心にディスプレイ。あえて大量に並べず、さらりと並べるところにセンスの良さを感じる。

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ダイニングルームにもヴィンテージが。ダイニングチェアはアフラ&トビア・スカルパがデザインしたカッシーナのプロダクツ。当然イタリア製で、さすがレベルが高い。

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2ベッドルーム、1ベッドルームに奥さんのアリーシャと2人暮らし。アメリカでは典型的なスタイル。奥さんも旦那のファニチャー選びに理解がある。ベッドルームも白を基調に木製家具だけで構成。木製のベッドフレームはDIYだというから驚き。お気に入りのファニチャーが無ければ自分で作るという。

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ベッドルームにも大好きなチェアを置く。奥にあるのは作者不明のフレンチ・ヴィンテージ。手前にあるのはシャルロット・ペリアンのデザインした有名なスツールだ。

欧米の存在感のあるヴィンテージファニチャーが好きなことから、内装は手を加えることなく極めてシンプルに、あえてハコよりもファニチャーを主役に空間を演出するというスタイルは、シンプルすぎないセンスのいい空間を生み出している。

【DATA】
エリア:ハイランドパーク・ロサンジェルス
敷地面積:約90平方メートル
間取り:2ベッドルーム、1バスルーム
築年数:約50年

「家づくり」の実例をもっと見る

(出典:『LIGHTNING 2018年12月号 Vol.296』)

この記事を書いた人
めぐミルク
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めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
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