スクーターともバイクとも一線を画すルックス&走りが魅力【後編】

2019 年、EICMA(ミラノショー)にその姿を現わすも、特異なスタイルから市販に懐疑的な目を向けられていたが、コロナ禍を乗り越えて国内デリバリーも開始。ここでは特異な機構が生み出す、ほかに類を見ない乗り味をお伝えしよう。

スクーターともバイクとも一線を画すルックス&走りが魅力【前編】はコチラ

※撮影に使用した車両はファーストエディション。現在販売されているブラック×ゴールドとは仕様が異なる場合があります。

ITALJET DRAGSTER 200 のディテール

ハンドルを右に切りきった状態。そこそこの切れ角が確保されている。フォーク仕様のアッパーブラケットにあたる部分の肉抜きぶりも大胆で、軽快さを強調している

現在デリバリーされているのは限定モデルで、カラーはブラック×マグネシウムとアンスラサイト×ホワイト×レッドの2 種類。いずれもセンタートンネルの前側にシリアルナンバーの入ったプレートが付く。通常モデルは、ブラック×マグネシウムが外れた代わりにアンスラサイト×イエローとブラック×グレーの2色を加えた3色展開となる

メーターはかなりコンパクトな液晶ディスプレイのみで、その上にインジケーターランプが並ぶ。速度・距離・燃料残量・時刻など表示される内容はシンプルだ。左右のボタンで操作する

ハンドガードと一体型のウインカーはちょくちょく見かけるけれど、バーエンドからステーが伸びて支持されるウインカーはめずらしい。点滅のし方はシーケンシャルと今時である

左右に分けて配されたラジエターのトータルでの面積は結構広い。裏側には冷却用のファンも装備されている。このことからも高回転で回し続けることを考慮していることがわかる

インディペンデント・ステアリング・システムと名付けられたハブセンター・ステアリング機構は、初代モデルから引き継がれたもの。スイングアームの造形が凝っているのも◎

フロントブレーキのディスクローターはφ200mm の厚さ3mm で、ペータル形状となる。キャリパーのブレンボロゴとステンメッシュのホースがスポーティさをアピールする

ハンドルの下には、メインキーシリンダー、冷却水の吸水口、USB の充電ソケットが並ぶ。スクーターにとって一般的なグローブボックスは装備されず、とてもシンプルな作り

無骨なトラス構造のフレームがむき出しとなるセンタートンネル。中央に配されたショックユニットはフロントサスペンションのモノ。その後ろがガソリンの給油口でガソリンタンクも丸見え

ライダー用のステップボードはちょうど一足分の面積で、ポジションの自由度はほぼない。その後ろ上方に滑り止めのラバーが上面に貼られたタンデマー用の可倒式ステップがある

シートの表皮、形状ともにスーパースポーツに近い。実際にシートの上でお尻を動かしやすく、ポジションを作りやすい。あえて白いステッチを使っているあたりの演出が心にくい

シート下に収納スペースが設けられているけれど、トランクというよりはボックスといった方がいいくらいの小容量。コンパクトなレインスーツだけで満杯になってしまう

コンパクトなグラブバーながら前後にボルトのタップが切ってある。ステーを増設してもいいだろうし、荷掛けフックを追加するなど発展させられる使い勝手のよさがある

リヤブレーキはφ190mm のペータルディスクローターとブレンボ2 ポットキャリパーを組み合わせる。ステンメッシュホースによりタッチがカチッとしていてスポーツモデルらしい

ITALJET DRAGSTER 200のスペック

全長×全幅×全高
1,890×750×-(㎜)
軸間距離
1,350㎜
シート高
770㎜
乾燥重量
124㎏
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒・181㎤
最高出力
12.9kW(17.5㎰)/8,000rpm
最大トルク
15.5N・m(1.58㎏f・m)/7,750rpm
燃料タンク容量
9ℓ
燃費(WMTC)
-㎞/ℓ
タイヤサイズ
F=120/70-12・R=140/60-13
カラーバリエーション
アンスラサイト/ホワイト/レッド、アンスラサイト/イエロー、ブラック/グレー、アンスラサイト/ホワイト/ブルー、トリコロール、ブラックゴールド、マロッシエディション
価格
81万4,000円 (マロッシエディション:84万1,500円) ※すべて税込

ITALJET DRAGSTER 200 製品ページ

スクーターともバイクとも一線を画すルックス&走りが魅力【前編】はコチラ

取材協力
BEAR SETAGAYA
東京都世田谷区世田谷2-10-11
03-3429-8181
https://bear-s.com

CONTACT
イタルジェットジャパン
0538-23-0861(MV アグスタジャパン)
https://italjet.jp

この記事を書いた人
タンデムスタイル編集部
この記事を書いた人

タンデムスタイル編集部

初心者にも優しいバイクの指南書

バイクビギナーがもっとも知りたい、ハウツーや楽しいバイクライフの提案がつまったバイク雑誌。タイトルの"タンデム"は本来"2人乗り"の意味だが、"読者と編集部をつなぐ"、"読者同士の輪が広がる"といった意味が込められているぞ。バイク選び、ライディングギア選び、ツーリング、メンテナンス情報のほか、チャレンジ企画も大好評!
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

Pick Up おすすめ記事

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...