東京発ヘッドウエアブランド「THE FAT HATTER」菊地章仁さんの、一生手放せないヴィンテージ。

ヴィンテージが世間の注目を集めるよりずっと前から、この文化に傾倒し、人生をかけてコレクションを重ねてきた人々がいる。彼らの所蔵品は、現在のブームとともに“スーパーヴィンテージ”と称される存在となった。中には、もはや文化遺産といって差し支えないものもあるだろう。それらを今も手元に残し、次代へと継承しようとする人々から今回は東京発のヘッドウエアブランド、THE FAT HATTER代表・菊池氏を紹介する。ブランド設立10年を迎え、国内外での評判も上々。菊池氏自身も自ら帽子製作を手掛ける職人でもある。職人目線を持つ彼が、手放せないヴィンテージとは?

プロダクツに直結するヴィンテージは常に探している。

東京を拠点にヘッドウエアブランドを手掛け、いまや国内外で多くの支持を集めているTHE FAT HATTER。その代表を務める菊地氏もヴィンテージが大好物だ。

「一時期に比べて、だいぶ手放してしまったのですが、そのなかでも今残されているものといえば、結局は自分が作るプロダクツに直接関係しているものばかりですね。例えば、3年ほど前にようやく手に入れたコンフォーマーは、欲しくても使えるものが全く見つからないんです。使える状態の完品が見つかるのはほんとに稀なんですよね。どれも探しに探して苦労してようやく手に入れたアイテムばかりなので、おそらく今後も手放すことはないと思います」

今回、見せてもらった菊地氏のヴィンテージコレクション。帽子作りに必要な道具は当然手放せないため、確かにどれも換えの効かないものばかり。欲しいと思ったものはとことん調べてから手に入れるのが染み付いているようだが、現在はヴィンテージ欲がだいぶ落ち着いていると彼自身話している。し

かし、聞くところによると、菊地氏は最近、新たなクラシックカーを購入したのだという。1930年代 FORDのモデルA。今回は撮影までに間に合わなかったが、近いうちにまたお披露目してもらうことをにしよう。

「苦労して手に入れたものは思い入れも強く手放せない」

職業柄、これまで多くのヴィンテーハットに触れ、手にしてきた中でもとびきり希少なハット。どちらもSTETSONのもので、左は1940年代のソブリンクオリティのビーバーハット。右は1950年代のウィペット。

1940年代のマリンハットをベースに「1st PLACE」のリボンが付けられ、寄せ書きされた唯一無二な逸品。ヘタウマな文字とイラストにインパクトがあり、もはやオブジェとしてショップに飾っているもの。

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CLUTCH Magazine 編集部
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