この1着からブランドの歴史は始まる! BUZZ RICKSON’S30年目の新作に注目!

日本から世界へ発信するミリタリーブランドとして存在感を示し続けているBUZZ RICKSON’S。1993年にブランドが発足して以来、実物同様に当時のミルスペックに基づき復刻作業が行われ、米軍パイロットたちのフライトジャケットを忠実に再現するという、誰もが見果てぬ夢に挑んだこの30年間という軌跡。そして新たな歴史を刻む2023年秋冬新作プロダクツを紹介しよう。

困難を乗り越えて誕生し、今後も新たな挑戦を続けるフライトジャケット。

1980年代終わり〜’90年代前半の日本ではフライトジャケットブームの真っ只中。その最も市場が加熱している1993年に、米軍パイロットたちのフライトジャケットを忠実に再現するブランドとしてBUZZ RICKSON’Sは世の中にデビューを果たす。それから30年の月日が経った現在では、毎シーズン新たなジャケットをリリースできているが、実はブランドが発足する以前の準備期間は困難の連続であったと言う。

ブランドが誕生した1993年から現在まで毎年製作されているブランドカタログの一部。資料性の高い各商品の解説に虜になったファンは多い

貴重なヴィンテージフライトジャケットを解体して生地の分析を行うとそれらの生地は現在の流通品とは異なっていた為、糸の紡績から生地の織り上げまで全てゼロから製造を行わなければならなかった。また縫製の工程に於いても複雑で細かい仕様となっているMIL-SPECに準ずる、大量生産に向かず非効率な縫製となるフライトジャケットを組み立てる工場を確保する事も可及的速やかにクリアすべき命題でもあった。

そんな見果てぬ夢に挑んだこの30年は紆余曲折の道のりであったが、それはだたの通過点に過ぎない。この先もBUZZ RICKSON’Sはクラフトマンシップが宿った誇るべきフライトジャケットを作り続けていくことだろう。

BUZZ RICKSON’Sが市場にデビューした1993年当時のカタログ
本格的に再現されたリプロダクツに、当時のフライトジャケットファンの心はほとばしったものである

1.Type A-2 UNITED SHEEP LINED CLOTHING CO. “Heaven Sent” BACK PAINT

米国ジョージア州サバンナの第8空軍博物館にて大切に保管されているミュージアムピースがある。それは1942年に創設した第8空軍隷下の第100重爆撃大隊・第350重爆撃飛行隊にて、53回ものヨーロッパ上空でミッションを行ったB-17爆撃機“Heaven Sent”(天与)の爆撃手を務めたフレッド・シュミット氏が着用したタイプA-2だ。第8空軍の歴史を物語る大変貴重なフライトジャケットを忠実に再現している。275,000円

2.Type L-2 30th Anniversary Staff Jacket

2023年2月に創設30周年の秋冬展示受注会を開催。その際に着用されたスタッフジャケットを製品化。展示受注会という室内環境での着用が前提のためライトゾーン用のL-2をベースに、裏地はレーヨンツイル、左肩にはブランドデカール、左胸に“B.RICKSON”の革製ネームプレート、右胸に30周年記念パッチ、そして背面にはアニバーサリーのステンシルを施している。まさにブランド生誕を祝うに相応しい特別な一着である。82,500円

3.Type L-2B 18th Fighter-Bomber Wing “SUKA” Embroidery

生誕30周年を記念したスペシャル仕様のL-2B。左胸にはBUZZのブランドカラーと同じブルーを基調とする第18戦闘爆撃航空団のパッチを採用。また背面には当時のG.I.たちに流行した日本ならではの横振りのスカ刺繍が施される。さらに裏地にもBUZZのカラーであるブルーを採用し、記念モデルらしい華やかな仕上がりとなっている。そして30周年記念のドッグタグが付属する。96,800円

4.ENLISTED MAN’S OVERCOAT SUKA PEA COAT USS LEXINTON CVA-16 “SUKA” Embroidery

1900年代初頭から現在までほぼ変わらぬ外見を持ち、米海軍下士官からも絶大な支持を得ているピーコート。こちらは米海軍航空母艦CVA-16レキシントンの乗員が、1956年に極東航海をした際、寄港した横須賀基地にあるネイビーエクスチェンジ内のテーラーにて個性豊かなスカ刺繍を施したモデル。オリエンタルな表情は要注目だ。93,500円

【DATA】
バズリクソンズ(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
https://www.buzzricksons.jp

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2023年11月号 Vol.93」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
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