ほどよい緊張感が漂う東京屈指の名バーバー「バーバーキング」|東京・三宿

‘99年に東京・三宿の住宅街に開店した「Barber shop KING」は、日本全国にファンが多い名店だ。オーナーの清水健太郎氏の技術とセンスに絶対の信頼を寄せる顧客にはアパレル関係者も多く、2021年には池尻に2号店をオープンするなど、ますますその勢いは増し続けている。

日本全国からファン客が訪れるバーバーの草分け的存在。

住宅街の味のあるマンションの1階に位置する。店頭に止められたスタッフのバイクが目印だ。窓にはゴールドレターのサインペイントが施されており、雰囲気も抜群

1999年に開店したバーバーキングは、現在のバーバーブームにおける草分け的な存在である。三宿の住宅街にひっそりと店舗を構えているが、日本全国にファンは多い。

その求心力の中心となっているのがオーナーの清水健太郎氏。落ちついた大人の雰囲気を醸す氏にはその技術とセンスを信頼する顧客が多く存在する。中にはファッション業界で活躍する人も多く、その口コミで人気を博していった。

清水氏のスタンスは独特。基本的に自身からヘアスタイルを提案することはなく、お客さんの要望をできる限り受け入れる。これは幅広い技術を持っているからこそできる芸当であろう。中でも最も得意とするのはクラシカルなフェードスタイル。

20代の若者から年配の人まで幅広い世代の顧客を持っているため、トレンドを取り入れたスタイルから、オーソドックスな髪型まで対応してくれる。ていねいな施術を落ちついた時間を提供してくれるのだ。

「Barber shop KING」代表・清水健太郎さん|1970年生まれ。東京都出身。三軒茶屋の理容室でキャリアを積んだ後、1999年に三宿でバーバーキングをオープン。20周年パーティが行われた際には豪華なメンツが駆け付けた
感度の高いファッション関係者から、近所に住む年配の人まで顧客を持つ清水氏。寡黙なタイプであるが、兄貴肌であり、同業者からも慕われている。そのスタイルも個性的だ

Barber shop KING」の内部を紹介!

クラシカルなバーバーチェアとシンプルな内装で、昔ながらの雰囲気を残した店内。あまりの人気ぶりから、リニューアルした際に2席を増やし、全5席に。すべて席が埋まることも珍しくはない。

カットからシェービングまで行う正統派バーバー。壁面には様々なメーカーのポマードのパッケージなどがディスプレイされ、インテリアの一部になっている。

店内には清水氏の好きなものが詰め込まれている。ポスターはマン島TTレースのもの。かつてはバイクに乗っていた清水氏ならではの一枚だ。

クラシカルなフェードスタイルを得意とするため、多くのバリカンがラインナップされている。刈り上げはシンプルだけに、細かなテクニックやセンスを要求されるのだ。

バーバーキングは、オーナーの清水氏を筆頭に職人気質なスタッフが揃う。そのため、どんなに忙しい時でも、ハサミなど仕事道具が美しく収納されているのが好印象だ。

待合スペースには、親交の深いブランドのポスターなどが飾られている。ロックンロールなど、1950年代のアメリカンカルチャーにも影響を受けているのがわかる。

クラシカルなバーバーのサインポールには、センスの良いカスタムが施されている。旧きよき時代のアメリカンカルチャーに造詣が深い清水氏ならでは。

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CLUTCH Magazine 編集部
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