京町家に欧米バーバーと日本の床屋が見事に融合!「バーバーヒグチ グルーミング&スパ」|京都・伊勢谷町

100年以上の京町屋を改装した「BARBER HIGUCHI GROOMING & SPA」。欧米の伝統的なバーバーカルチャーに影響を受け、そのスタイルを日本でも取り入れたいという思いが膨らみ、そのままを取り入れるのではなく、日本らしさ、京都らしさを見事に融合させてオリジナリティを創出している。インテリア、サービスともに和洋ハイブリッドな“旧きよき”が満喫できるだろう。

心安らぐ旧きよき和の空間にて、リッチなサービスを提供する。

築100年以上の京町屋を改装した店舗。欧米のバーバー文化をベースにしつつも、暖簾のフォントやシェードカーテンなど日本の伝統も大事にした店づくりが特徴となっている

海外の観光客も多く訪れる京都に店を構える「バーバーヒグチ グルーミング&スパ」。オーナーの樋口昭文氏は、かつて欧米の伝統的なバーバーカルチャーに影響を受け、そのスタイルを日本でも取り入れたいという思いが膨らみ、独自の空間作りを模索してきたという。その解答こそが同店であり、日本的解釈で構築したスタイルは、ノスタルジーとモダンが同居したバーバーとなっている。

「欧米のバーバーは、優雅でリラックスした時間を得る場所として浸透しています。ですが日本では、男性が積極的に身だしなみを意識することにどこか躊躇があるんですよね。我々は欧米のシーンのように、グルーミングをより身近なモノにしたいと思っています。

しかし欧米の真似では意味がありません。日本における京都の店としてのオリジナリティを発信したい。京町屋を改装した内装の中で、かつての理容師が持っていたメディカルの精神を受け継ぎ、お客様ひとりひとりに合った細やかな施術を心掛けています」

海外ブランドのグルーミンググッズが並ぶバックヤードは、まるで医務室のよう。樋口氏が買い付けて実際にサンプルとして使い、良いと思ったものを施術に使用する
ガラスに描かれたウィンドウサインはゴールドリーフではなく昔の喫茶店をイメージし、あえてペンキを使っている。まさに同店の姿勢が表れていると言えよう

日本的解釈で構築したスタイルでノスタルジーとモダンが同居する洗練空間。

白を基調とし洗練された印象の店内には’60年代後半に海外輸出用に作られたTAKARA BELMONT社のバーバーチェアを設置。傍らに置かれた鉄製キャビネットが空間に重厚感を与えている。

店内には天井の梁や柱など随所に京町家の佇まいを残している。純白のタイルや壁と相まって、レトロモダンな雰囲気を作り出しているセンスも見事である。

やさしい自然光が店内を明るく照らす。窓際にはヘッドスパスペースが設けられ、顧客の頭皮の状態に合わせオーガニックハーブのみを使用して治療、改善を行っている。

ハサミやバリカン、ブラシなどがきれいに整頓されて置かれるヴィンテージのキャビネット。ここにはオーナーの樋口氏を含め3名の理容師の道具が収納されている。

入口のカウンターは日本の煙草店で使われていたもの。欧米の什器は日本の建築サイズに合わず、しっくりくるものを探した末、このカウンターにたどり着いたのだとか。

DATA
京都府京都市中京区伊勢谷町357
TEL075-203-1577
営業/平日10:0019:00、土日祝10:0018:00
http://barberhiguchi.com

※写真は取材当時のものです。現在とは異なる場合があります。

(出典/「バーバーインテリア」)

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CLUTCH Magazine 編集部
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