バイカーファッションに欠かせない! 世界に誇るメイド・イン・ジャパンブランドのプロダクツ16選

生産効率を高めるためにオートメーション化された規格品があふれ、安さで勝負する商品がはびこるいまの世の中にあって、細部までこだわり抜き、職人技で作られるメイド・イン・ジャパンの逸品は希少だ。世界的にも注目が集まるハイクォリティな作りこそが魅力ではあるものの、現在では腕利き職人の引退などによって、日本の誇りも失われつつある。しかし我々ハーレー好きに選ばれているブランドの多くは、いまだ昔ながらの技法にこだわったクラフトマンシップあふれる逸品ばかり。そこで、あらためてメイド・イン・ジャパンを守り続けるブランドに注目し、質の高い逸品を紹介。日本の技術が生きるプロダクツは所有欲を存分に満たしてくれるハズだ。

1.IRON HEART(アイアン ハート)|職人の誇りがオリジナリティを築き上げる日本特有のモノ作り

ヘビーオンスデニムをはじめ、タフなプロダクツを頑なに作り続け、バイク乗りから根強い支持を集める「アイアンハート」。その人気はいまや日本を超え、ヘビーオンスデニムを看板に世界中のデニムファンにシェアを広げている。世界で活躍するジャパンデニムブランドの多くがヴィンテージの作りや質感を追い求める中、アイアンハートは屈強さに重きを置いたオリジナルデニムで勝負しているのが興味深い。そして、アイアンハートのプロダクツはすべてメイドインジャパンであり、代表である原木さんが思い描くオリジナリティを具現化するためには、国内の信頼できる工場でのモノ造りが絶対条件なのだという。

アイアンハートのデニムの提携工場はすべて備後エリアに集中しているのが特徴だ。児島や福山などの備後エリアは、デニムの聖地として有名だが、古くから作業服や学生服の生産地として知られるモノ作りの街。つまり耐久性が前提である屈強なプロダクツの生産背景が整っているということ、アイアンハートの代名詞であるヘビーオンスデニムを生産するための最適な環境がそこにあるのだ。

アイアンハートは大定番の21ozをはじめ、14ozから25ozまでのオリジナルデニムを展開。ヘビーオンスデニムを織れる工場は日本全国でもごく僅かだが、アイアンハートは理想とする生地や作りによって、適材適所で数社の工場と提携している。

【代表プロダクト】-634S- 21ozセルビッチデニムストレート|アイアンハートのデニムはここから始まった

2003年の創業以来ラインアップが続くロングセラーであり、ヘビーオンスデニムを世界に浸透させた、ブランドの代名詞といえる21ozセルビッチデニム。634Sは21ozの中でも、あらゆる人の体型にマッチする最もスタンダードなストレートシルエット。経糸単子×緯糸双糸という独自の織り方を採用することで、肉厚でありながらも柔らかい履き心地を実現。この634Sを経験して、ヘビーオンスの虜になってしまった愛好家が多数存在する。3万4100円

問い合わせ/アイアンハート 042-696-3470 http://www.ironheart.jp/

2.WEST RIDE(ウエストライド)|良質な素材と高度な伝統技術で作られる新潟発バイカーズウエア

全国のタフなバイク乗りから支持される新潟県の「ウエストライド」は、日本の生産技術を世界へと発信するオリジナリティあふれるジャパンブランドのひとつ。ウエストライドのモノ作りには、〝アメリカン・ヴィンテージ〟と〝バイク乗りのためのスペック〟というふたつの軸が読み取れるが、その両方を妥協なく突き詰めるためには、国内の工場と信頼を積み重ねた密な関係が不可欠だという。

アプローチはさまざまだが、例えばネルなどの新潟の工場にて力織機で仕立てる耳付き生地に関しては、糸から成型し、染め・織・加工とすべての工程をオリジナルレシピで行い素材の質感や唯一無二のデザインを追求。ニットも同じく新潟産で、昔ながらのジャガードなどにオリジナルの柄を落とし込む生産背景を確保している。そしてそのどちらも伝統的な機械、手法を使用するため生産効率が低く、高度な技術が必要になるため、ウエストライドの求める理想を実現できる工場は非常に稀。それゆえ、関係値を築き上げることができる国内のハイレベルな工場との提携がウエストライドのクオリティの裏付けになっているのだ。

2016年春から展開し、根強く支持される双糸の横編みオリジナルニットコレクション、「新潟ニット」。C50A50あるいはC100%のシングルジャガードや、ふっくらとした仕上がりでVESTやCARDIGANも展開するC100%。また、定番のメッシュ・ジャガードなど自然に恵まれた新潟県産ならではの良質なニット地を2本針に代表される丁寧な縫製で作り上げたウエアは、そのいずれもがオールド感あふれる表情と優れた着用感を共存させる。

熟練職人が旧式力織機で織り上げたオリジナルセルビッチ生地は、作業効率は低いものの、独特のデコボコ感があり、肌との間に空気の層を生み出し柔らかな着用感を実現。懐かしさと新鮮さを併せもつ上質な素材感が魅力だ。

【代表プロダクト】NGT NATIVE CARDIGAN|素材から縫製まですべて新潟産のニット

保有するヴィンテージをベースにクロスなどの柄を加えて再構築したネイティブ柄の最新作。フロントデザインを活かすために貼り付けポケットを排除し、サイドシームポケット仕様に。チマヨ織の表情をコットンで体現し、レトロな風合いと快適な着心地を両立。2万680円

問い合わせ/ウエスタンリバー TEL025-526-2415 https://www.w-river.com/

3.THE FLAT HEAD(フラットヘッド)|アメリカへの憧れと日本のもの作りの融合

ジャパンデニムを世界に認めさせた立役者のひとりである「フラットヘッド」。ヴィンテージショップとしてスタートしたが、米国へ何度も渡るうちに、現地のもの作りの現状を目の当たりにし、日本の技術を用いて、自分たちの憧れた旧きよきアメリカを体現することを決意した。そこで取り組んだのが、ブランドの代名詞となっている40年代の縫製を日本の技術で再現した「3本針の1本外し」縫製法でネックを仕上げたTシャツや、20年代の染色、50年代の無骨な仕様、70年代の色落ちをブレンドしたオリジナルデニムだ。

フラッグシップモデルのレザージャケットにおいては、自社ファクトリーにて熟練の職人たちが革の裁断から縫製まで、1着ずつハンドメイドで生産。自社にて生産することで、採算を度外視して細部まで徹底的にこだわっている。また職人同士で頻繁に話し合うことで、常に技術のアップデートを共有でき、クオリティにさらに磨きをかけているのだ。

フラットヘッドの自社ファクトリーである「ストックバーグ」ではレザーの裁断から縫製まですべての工程を行う。どの工程でも職人の技術や経験が必要だディレクターを務める宮坂さんは、デザインだけでなく、実際に職人としても生産に携わっている。レザーは生体傷も多く、それぞれで表情やシボ感も違うので、製品になった際に差が出ないように裁断には細心の注意が必要。

シルエットは現代的だが、ヴィンテージ同様のエイジングを再現するために、細かな縫製仕様までこだわる。職人の業と旧式ミシンがマストだ。

【代表プロダクト】レザーウエアディアスキンスタンドカラーシングルライダースジャケット|自社ファクトリーでハンドメイドされる

オリジナルレシピで作られる茶芯のホースハイドやディアスキンなど、フラットヘッドの代名詞となる革を、最大限に活かすために職人が日夜奮闘している。28万6000円

問い合わせ/フラットヘッド・ネクスト TEL026-275-6666 https://www.flat-head.com/

4.ROARS ORIGINAL(ロアーズオリジナル)|クオリティコントロールのため自社製造にこだわる

ミリタリーやワークなどのツールとして生まれたウエアには、独創的なデザインであっても、その裏側には機能美があり、すべてに意味がある。「ロアーズオリジナル」のプロダクトも同様で、個性的なデザインに見えても、それはライディングギアとしての機能に裏付けられた意匠であり、高次元でファッション性と機能性を融合させた賜物なのだ。

そんな同社のプロダクトの中でも、特に力を入れているのがレザー関連のモデルだ。代表の高橋さんは、レザーを用いる際でも複雑な機構やディテールを多く駆使する。そのため、なかなか対応できる工場がなかったことから、自社ファクトリーを設立。レザーの裁断から縫製までを、高橋さんの意図を理解した職人がハンドメイドで生産している。またレザーのエイジングを大切にしつつ、ライディングギアとしての耐久性も重視している。

東京にある自社ファクトリーには、高橋さんのクリエーションを理解した職人がそろい、1点ずつ丁寧に生産されている。通常のライダースジャケットにはない仕様やディテールを多く駆使するので、それを実現するための技術力が必要不可欠。

【代表プロダクト】PADDEDRIDERS JACKET|パデッドが際立つロングセラーモデル

10年以上のロングセラーモデルとなっている定番ライダース。転倒時に身体を守ってくれるパデッドと1.4㎜の厚手なシュリンクレザーを使っている。16万2800円 (S〜XLサイズ)18万8100円 (XXLサイズ)

問い合わせ/ロアーズオリジナル TEL03-6434-0961 https://www.roars.jp/

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ハーレー好きのためのマガジン

ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
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