袖を通せば感覚で分かる、現代的なアップデートの妙。「ウールリッチ」のマウンテンパーカ

2nd編集部が気になるアイテムを紹介する連載企画。今回は「猛暑日が続いております。僕はTシャツにショーツが基本ですが、屋内に入るとクーラーで冷えたりするので、シャツを常に持ち歩くようにしてます。夏のトラッドは難しい!」と語るパピーたかのがお届け。

「ウールリッチ」のマウンテンパーカ

アウトドアウエアは、旧くから存在する洋服のジャンルです。それゆえ、現存する老舗アウトドアブランドも数多い。しかし、いくら老舗とは言え、アウトドアブランドとして“クラシック”だけを追求し続けるのは難しいもので、どのブランドも“クラシック”と“現代的な実用性”の間で揺れているように思います。

ウールリッチの創業は1830年。いまでは定番柄となったバッファローチェックの生みの親でもあるなど、老舗アウトドアブランドの筆頭ですが、クラシックなDNAを引き継ぎつつも、現代的なアップデートを施すアプローチに長けている稀有なブランドだと思います。

最初にこのアイテムに袖を通したのは、2025年秋冬の展示会でした。ベースは70年代に生産していたロクヨンクロスのマウンテンパーカとのことで、あくまでクラシック。ただし、フロントボタンが比翼仕様だったり、ステッチワークが精緻だったりと、細かく見るほどこだわりをもって作られていることが分かります。

そんなディテールこそ、着た時の「なぜか分からないけど品がいい」という感覚を生む。時代に合わせてシルエットも改良され、ハンドウォーマーポケットも搭載されています。そんなアプローチが、すべてクラシックなデザインの範疇で行われていることに、感心せざるをえません。

6万9300円(ウールリッチ 二子玉川店TEL03-6431-0150)

(出典/2nd 2025年11月号 Vol.214」)

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パピー高野
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パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
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