古着をリペア! シャツの襟の修理の方法を伝授!【ふるぎ道】

ボロボロな古着も格好いいけれど、着倒して、着倒して修理しながら着続けるのが本当に格好いい古着の楽しみ方。挑戦すれば自分でもギリギリできる、そんな「お直し」を教えます。

岩城リョージ|三軒茶屋の古着専門お直し屋ヴィジティングオールドのオーナー。アウターの時期が終わりかけているがプリマロフトに夢中

シャツの襟修理を自分でやってみよう!

連載第10回目までのふるぎ道は古着の“リメイク”だったが、今回からは古着の“リペア”について、古着専門の修理店ヴィジティングオールドの岩城さんに教えてもらう。まずは、シャツの襟のリペアについて。今回、修理してもらうのは2nd読者であれば、1着は持っているであろうBDシャツ。襟が破けて芯地が外に出てしまっている。トラッドを志すのにこの状態のシャツは着ていられない。修理に必要なのはシャツの色にあった糸とミシン、ハサミがあればそれで十分。今回の修理方法はおおまかに襟を外してひっくり返し付け直す。言葉では簡単に言えるけれど、これだけでも相当奥が深い。しかし、初心者でもゆっくりと工程を追えば、不恰好かもしれないが意外とできるもの。でも本当に大事なシャツは岩城さんに託すのが吉かも。

Before

今回のアイテムは「ブルックスブラザーズ」のヴィンテージシャツ。中でも一段と破けやすいのが襟。汗汚れなどの付着も相まって、生地が弱くなり破けていく。

After

でも、岩城さんの手にかかれば大きく破けたものがこんなに綺麗に!

リペアの手順

まずは、シャツの色味をよく見て使用する糸を選んでいく。ここをミスると縫った時に「なんか違う」となりかねないので要注意。今回は白。

修理する襟を取り外していく。その際にノッチと呼ばれる切り込みをチェック。ない場合は、揃えるべき位置をチャコペンでチェックしよう。

破けた部分にあてる布は、着用時には見えないシャツの前立ての裏から持ってくる。切り出すサイズを決めるため、傷のサイズを測っていく。

破けた部分のサイズを測ったら、同じシャツの生地を切り出していく。このとき、切り出す生地の向き(地の目)が揃っているのかを確認。

外したエリを開き、切り出したシャツの生地を破けた傷の裏側にあてる。チェック柄なら、同じ色の線を重ねるなどなるべく柄を揃えよう。

生地を合わせたらその上から接着芯を貼り付けていく。こうすることで縫う時の生地のズレを防ぎ、崩れた襟のハリも復活する。

接着芯を付けた襟を、ミシン刺ししていく。このとき、シャツ生地の織りの方向を確認。経糸と横糸に沿うように丁寧に刺していく。

ミシン刺しが終わったら、襟を取り付ける。外した時のノッチかチェックが揃うように、注意しながら縫い付けて、リペア終了。

(出典/「2nd 2025年5月号 Vol.211」)

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なまため
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なまため

I LOVE クラシックアウトドア

1996年生まれ、編集部に入る前は植木屋という異色の経歴を持ち、小さめの重機なら運転可。植物を学ぶために上京したはずが、田舎には無かった古着にハマる。アメカジ、トラッド様々なスタイルを経てアウトドア古着に落ち着いた。腰痛持ちということもあり革靴は苦手、持っている靴の9割がスニーカーという断然スニーカー派。
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