渋谷の古着屋3選!「アーカイブ&スタイル」坂田真彦さんのヒイキな店。

世は空前絶後の古着ブーム真っただ中! かつての古着ブームを経験している大人世代も、古着に再び注目している人も多いのでは? そこで、業界人がヒイキにしているお店を紹介してもらうこの企画。今回は「アーカイブ&スタイル」の坂田真彦さんに渋谷のおすすめ古着ショップを紹介してもらう。

「アーカイブ&スタイル」坂田真彦さん|1970年生まれ。和歌山県出身。デザイナーなどを経て、2004年にデザインスタジオ『アーカイブ&スタイル』を設立。ヴィンテージに関しても造詣が深く、ウェルドレッサーとしても知られる

1.BRACKETS(ブラケッツ)

フランスやイギリス、ドイツといった主要国に加えて、日本人バイヤーがなかなか足を運ばな いエリアまで行くため、希少なものが揃う

「オーナーの飯田さんは買い付けから販売までワンオペでやっているので、ひとつひとつのアイテムを“どこでどのように買ったのか” と事細かく説明してくれるんです。セレクトが良いことは言うまでもなく、そのモノのストーリーを込みで買えるのが一番の魅力です」と坂田さんは太鼓判を押す。フランスやイギリスを中心に買い付けており、商品を見るとデザインやコンディションを吟味してセレクトしているのが伝わってくる。

「特にパンツのセレクトがおもしろいと思います。見たことのないマニアックなミリタリーものは必見ですね。セカンドが提唱しているミリタリートラッドとも相性が良いはずです」

ハンティングやミリタリー、トラッドまで幅広いラインナップ。坂田さんはフランス軍のモーターサイクルコートが気になっていた
小物類も充実しており、ジャンルごとにディスプレイされているので、ギュッと詰まっていても見やすい。掘り出し物も多いのだ
オーナーの飯田さんと雑談する坂田さん。「商品をどのように見つけたかというストーリーが聞けるのも当店の魅力なんです」

坂田さんが「ブラケッツ」で本気で気になるヴィンテージ。

オーストラリア軍のパンツ

1940 年代の夏季用のフィールドパンツ。英国の植民地だった影響で強く影響を受けている。「ムラのある生地感やボタンの風合いが◎」1万8920円

ベルギー軍のパンツ

1952 年にベルギーの陸軍に支給されたフィールドパンツ。「イギリス軍のユニフォームの意匠を真似しているのが興味深いですね」3万9600円

フランス軍のモーターサイクルコート

1930 年代にフランス陸軍のバイク部隊に支給されていたオーバーコート。「数々の有名デザイナーたちが元ネタにした名作のひとつ」13万9700円

【DATA】
東京都渋谷区神山町13-13 ブラケッツ
TEL03-6416-8079
営業/12:00~22:00

2.OKIDOKI(オキドキ)

「渋谷にあった頃からずっと通い続けている名店。年代や国に縛られず、服として純粋にかっこいいもの、おもしろいものを選んでいることが推薦の理由です」と坂田さん。アメリカから買い付けてきたヴィンテージを中心で、戦前から2000 年代まで幅広いラインナップとなっている。また良心的な価格設定も人気の理由だろう。

「王道のアメリカ古着がある一方で、日本のデザイナーズがあったり、フラットな視点で選んでいるのがおもしろいですよね。安くてかっこいいという古着の本質を体現しているショップだと思います」

シューズ類はなるべく中古を避けて、アメリカのアウトレットなど で買い付けをしている。日本ではない見ない珍しいモデルも多い
坂田さんは、ここでは王道のカレッジものや自身が敬愛するポケットTを吟味
1 点ずつ細かくチェックする坂田さん。ラッセルモカシンのローファーが気になる様子

坂田さんが「オキドキ」で本気で気になるヴィンテージ。

ファイブブラザーズのダンガリーシャツ

90sのダンガリーシャツはミントコンディション。「直球のアメカジアイテムが逆に新鮮です。この手のシャツは意外と見つからないんです」7700円

ラッセルモカシンのローファー

アッパーは1 枚革のラフアウトで、デッキシューズのソールを組み合わせた珍モデル。「このモデルは初めて見ました。価格も優しいですね」1万5400円

メンズメルローズのシャツ

80 年代のメンズメルローズのシャツは、ブラックシャンブレーを使った変わり種。「自分が学生時代に出たものかと。素材使いが贅沢です」6600円

【DATA】
東京都渋谷区富ケ谷1-9-15 下岡ビルB1F
TEL03-6407-8525
営業/12:00~20:00

3.verandah(ベランダ)

「古着をコーディネートで提案しているのが好印象なショップです。古着屋が少ない骨董通りにあるというのもポイントです」とリコメンドした坂田さん。いわゆる古着店とは異なり、クリーンな印象でレディースも充実しているので、カップルで訪れても楽しめる。

「ここのコーディネートを見ると新たな発見があり、おもしろいんです。またファッションとして楽しめるようなリメイクをしているのですが、それがとても丁寧で感心しますね。珍しいものというよりは、純粋にファッションとして楽しめる古着が揃っています」

コンディションを吟味したシューズコーナーは、アメリカのものが 中心。お手頃なプライスなので、トライしやすいのが嬉しい

 

ウエアだけでなく、小物類も充実している。メンズだけでなく、レディースも多いので、デートで訪れても楽しめるのも魅力だ
シャツコーナーにはアメリカからヨーロッパまで様々な国と年代のものが並ぶ。グッドデザインが多く、価格も優しい

坂田さんが「ベランダ」で本気で気になるヴィンテージ。

ヴィンテージのメッシュベルト

サマートラッドスタイルには欠かせないレザーのメッシュベルトは、手の出しやすいプライス。「1 本は持っておきたい定番アイテムです」各6500円

ラルフローレンのポロシャツ

王道のラルフローレンのポロシャツは、マリンボーダーをセレクト。「鹿の子の中でも珍しい鬼鹿の子というのもリコメンドした理由」8500円

リーバイスのデニムパンツ

90 年代のユーロリーバイス。本家にはない615というストレートモデル。「ヨーロッパ企画のリーバイスは探すとおもしろいものが多い」1万4000円

【DATA】
東京都港区南青山6-3-10 南青山セレーネ201
TEL03-6450-6572
営業/13:00~20:00(土日祝12:00~20:00)

(出典/「2nd 2022年8月号 Vol.185」)

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2nd 編集部
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